在札幌ロシア連邦総領事館開設50周年記念写真展が開催されました
1967年に在札幌ロシア連邦総領事館が開設されて今年50周年を迎えました。これを記念し、5月の札幌開催に次ぎ、8月1日(火)から8月8日(火)まで、函館市地域交流まちづくりセンター1階で記念写真展が開催されました。
ロシア連邦外務省が提供する貴重な写真や公文書(コピー)を中心に、函館、札幌、小樽の領事館の歴史や現在の交流が約70点の資料によって紹介されました。2003年に在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所が開かれた当地においては、函館市、本校、函館日ロ親善協会、函館日ロ交流史研究会が展示開催に協力し、函館関係の絵図や図版、説明文を追加したため、展示資料の半分以上は函館関連のもので占める結果となりました。
初日の8月1日(火)には、10時から11時まで、ソコロフ・ボリス領事と本校倉田有佳准教授が写真の解説を展示会場で行い、続いて地元のラジオ放送局FMいるかの電話インタビューを約20分間受けました。今回の展示の見どころについて語り、番組の最後はソコロフ領事のお気に入りの一曲“Есть только миг”(ソ連時代に流行った映画の挿入歌。直訳すると「ただその瞬間あるのみ」)が流されました。
8月1日からの3日間は、函館で最大の祭り「函館港まつり」の期間中で、展示会場の函館市地域交流まちづくりセンター周辺は、パレードを見ようとする人たちが集まり、大いに賑わいました。祭りを見るついでに展示会に立ち寄った旅行者もいたのではないでしょうか。
今回の展示の目玉は、明治40(1907)年8月の大火前に写した建設中のロシア領事館と、1906年末に竣工した領事館内部の写真です。この貴重な2枚の写真には、市内の建築関係者の方たちもじっと目を凝らし、大火後に再建された領事館と見比べていました(現存する「旧ロシア領事館」は1908年12月完成)。
札幌に先駆けること90年、函館に日本で最初のロシア領事館が開設され、20世紀前半は露領・北洋漁業との関係でロシア・ソ連が置かれ、終戦の前年に閉鎖された領事館は、2003年、札幌の総領事館の支部(函館事務所)として開かれるなど、ロシアにとって函館(港)の重要性は160年の歴史の中で変化してきました。とは言え、今回の写真展を見た方々は、函館にとってはロシアが、どの国よりも深い縁で結ばれてきたということを実感されたのではないでしょうか。