ウラジオストク留学を終えて
私は今年9月3日から11月26日まで、ウラジオストクに留学しました。
この留学で感じたこと、勉強になったことはいろいろありました。食べ物、文化、建築物、人々。日本とは違い、私にはすべてのものが珍しく新鮮に映り、留学中の3ヶ月間、飽きることはありませんでした。また、一番の目的であるロシア語学力アップについても成果はありました。
これらのことについて、順番に話をしていきたいと思います。
まず、ウラジオストクの生活に関して、簡単に紹介します。私達が学んだロシア語学校は、ДВГУ(ロシア極東大学)のキャンパス内にあります。そのすぐ横には私達が居住した学生寮があります。歩いて2分ほどで学校に行けますから、朝が苦手という人も、遅刻する心配はないでしょう。
ロシア語学校に隣接する学生寮 |
学生寮内の廊下 |
食料品を買うスーパーは、一番近いところで寮から200~300メートルのところにあります。もちろん、少し歩けば大型スーパーもたくさんありました。また、学生寮内には食堂が2か所あります。朝早くから16時まで営業していますので、便利です。
ロシア語学校にはロシア語のクラスが10クラス以上あり、最初に受けるテストの結果でどのクラスに入るか決められます。校内は国際色豊かで、中国、韓国、日本、東南アジア、そのほかアメリカやカナダ、オーストラリア、フランス、オーストリア、といった国から留学している人がいました。授業は1日に2コマ(1コマ90分)しかありませんので、授業が終われば、これらの国の人と交流したり、街へ観光に出かけたりすることができます。もちろん、学生寮にこもって勉強に集中することも可能です。充実した留学生活を送るためには、これらをバランス良く行うことが大切だと、私は感じました。
街中の移動式クワス販売所
また、授業ではロシア人の先生がロシア語しか話しませんので、ヒアリングの力は確実に良くなります。ただ、ボーと聞いているだけでなく、わからない単語をどんどん調べて覚えると良いと思います。これらの単語と授業で出てきた単語を毎日、復習をしっかりすれば、3ヶ月後には単語量もかなり増えるのではないでしょうか。授業中には、先生が皆に“週末は何をしましたか?”など質問をしてきます。これは単に世間話ではなく、会話の練習をしてくれているのです。まちがっても、“何も”なんて答えてはいけません。できるだけしゃべるように、努力して下さい。
ロシア語学校の先生たち ロシア語学校HPより
ここまで話を聞いて、ロシア人の学生とはどこで知りあうの?と疑問を感じた方もいるかもしれませんが、ロシア語学校内には先生しかいないため、自分で友達をつくるしかありません。とはいえ、毎年函館校に留学に来るロシア人の学生たち(観光大生、東洋学大生)とすでに知り合っている皆さんは、そんなに心配はないでしょう。これからウラジオストクへ留学する皆さんには、観光大、東洋学大留学生と交流しておくことをおすすめします。
函館校に留学経験のある東洋学大生
左:ヴィーカさん(平成20年留学)
中央:アーニャさん(平成20年留学)
右:ダーシャさん(平成19年留学)
平成21年10月撮影
また、皆さんに勇気があれば、学生だけでなく、街ゆく人と友達になることも可能です。ロシア人の皆さんは比較的、日本人に興味がある人が多く、話しかけると誰でも話をしてくれます。街中で立っていると、話しかけてくる人もいます。ただ、中には悪い人もいるかもしれませんので、その判断は自分でしなければいけません。これは、どの国でも同じですね。リスクばかり気にしすぎても、交流の機会を逃してしまいますので、時には勇気が必要かと思います。
留学期間中は、博物館、美術館、水族館その他、いろんなところへ観光に行きました。また、山へハイキングに行ったり、サーカスを見たり、サッカー観戦もしました。
でも、観光の中で一番良かったのは、劇場でオペラや演劇、人形劇を見ることでした。なぜなら、美しい衣装や、役者の演技を見るのはもちろん楽しかったのですが、ロシア語の勉強にもなったからです。映画などより、役者のかたは、ゆっくり、はっきり話しますから、学生の我々にも、わかりやすいのです。
留学を終え、日本へ帰ってきて再認識したことは、語学を習得するうえで、楽に習得できる方法は無く、“毎日の積み重ね”これに尽きると思います。
私達の選んだ道は大変な道だと思います。しかし、苦労の代わりに、外国語で外国人と交流できるという、かけがえのない経験・喜びを得ることができるのです。何もしないで、急に話せるようになるなんてことは絶対にありません。まずは、1日5単語を覚える。これから、続けていこうではありませんか。