第一期生の就職とその責務
ロシア極東国立総合大学函館校 事務局 角五 修一
本学は創立2年目という日の浅く、頼りとなる先輩の存在がなく、企業にも名前が知られていないという大きなハンディキャップを抱え、卒業生も大きな不安を抱いていたものと思う。
平成4年前半、バブルがはじけ、就職難時代と騒がれ始め、景気の低迷が続く中、本年度の就職は更に厳しく超氷河期とも言われるほどであった。かつて、日本が高度経済成長を続けていた頃は、企業が学校側にアプローチしていたものが、ここ数年で就職活動のあり方が180度転換した。このような状況下で私は学生から企業の方へアプローチする自主性と積極的な行動力が問われる時代に変わってきたことを訴えてきたのだが、学生たちの反応は鈍く、全く他人事のように受け止めているようにさえ感じた。
去る3月23日ロシア極東国立総合大学函館校の第1回卒業式を終え、12名の卒業生は学び舎を巣立った。卒業生で就職を希望した6名の学生の全員がそれぞれの企業へ採用されたことに安堵の胸をなで下ろした。しかし、これらの学生の多くは、自分のめざす企業や職種について、腰を据えてじっくりと考え、将来を見通して進路を決めようとする真剣さが感じられなかったことには驚きさえ感ぜずにはいられなかった。
本学の名を社会に知らしめるためにも、卒業生がいかに社会に貢献できるかにかかっていると言えよう。そして、そのことが自分自身の進路にも、また、後輩達の進路にも甚大な影響を及ぼすことになることは間違いない。それだけ第1期生の任務と責任は重いものであることを各自が自覚しなければならないものと考える。