＜１１月＞パクロフスキー教会（ウラジオストク）

これは、ウラジオストクの港から少し離れた高台の上にあるパクロフスキー教会です。
雪が降り始める少し前、ちょうど今くらいの時期に私はこの教会を訪れました。高さのある教会ですが、横に大きいわけではありません。この玉ねぎ頭を見るだけで異国感を感じます。教会は大きな公園の敷地内に建っており、たくさんの木が植えられているのですが、その木々の黄色い葉っぱが、風が吹くたびにカサカサと音を立てて、一枚、また一枚と教会の屋根に映り込みながら落ちていく景色を覚えています。
さぞ歴史ある建物かと思いきや、1935年に宗教禁止の煽りを受けて一時壊され、2007年に再建されたものだそうです。そのため、この教会の向かい側には、極東連邦総合大学の校舎がありましたが（現在は、寮として利用されています）、本校のロシア人教授陣のほとんどが2007年時、すでに函館校で勤務していたので、極東連邦総合大学出身でも、この教会にはさっぱり馴染みがないというのです。
しかし、教会には馴染みはないけれど、この公園で休み時間を過ごしたり、チェスをしたり、踊ったこともあったなんて話が出てきました。
人が住んでいる以上、街は生活とともに変化していくものです。この教会がまた無くならいことを願って、夕方に鳴るという美しい鐘の音をいつか聞いてみたいです。