極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
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記念コンサート「極東の窓」からVol.5 終了

函館校

6月28日(金)、函館校開校30周年ならびに函館日ロ親善協会設立35周年を記念したクラシックコンサート“『極東の窓』からVol.5”を開催しました。会場となった函館市公民館には約200名もの関係者や市民のみなさまにご来場いただき、盛会裏に終了いたしました。誠にありがとうございました。

この日は、これまでご支援いただいた市民のみなさまに対する謝意として、全席無料ご招待で質の高い音楽を聴いていただくという趣旨でした。主催者を代表して、学校法人函館国際学園 渡辺善行理事長の挨拶および教員紹介に続いて、函館市在住のピアニスト・高実希子さんとスウェーデンのイェーテボリオペラ管弦楽団第2ヴァイオリン首席奏者・田代裕貴さんによる息の合った素晴らしい演奏に会場中が酔いしれました。

5年前にも同じお二人に“オールロシアプログラム”での演奏をしていただきましたが、今回はチャイコフスキーの「懐かしい土地の思い出 作品42」とベートーヴェン「ピアノとヴァイオリンのためのソナタ 第9番 イ長調 作品47 ≪クロイツェル≫ 」の2曲をご披露いただきました。
ベートーヴェンのこの曲を聴いて、ロシアの文豪トルストイが『クロイツェル・ソナタ』という小説を生み出したという逸話があります。その鮮烈なソナタは30分を超える大作で、演奏者にとってもとても難しい挑戦だったそうですが、期待にたがわぬ熱演で、曲が終わると会場は拍手喝采に包まれました。ロシアではクラシック音楽と文学は密接な結びつきがあり、それを体現した素晴らしい演奏でした。

また、グランドフィナーレでは、函館校の合唱サークル・コール八幡坂が高さん、田代さんとともに、函館市民に親しまれている「はこだて賛歌」を、作詞・作曲のご遺族の了承をいただきロシア語訳したものを1~3番まで歌った後に、日本語でご来場のみなさまと1番を唱和しました。会場内が手拍子とあたたかな雰囲気に包まれ、さらにアンコールでは、ロシア民謡「カチューシャ」を合唱してお開きとなりました。

今回のコンサートでは、学生と教職員がおそろいのTシャツを着て受付や会場整理などを行い、運営にも関わりました。私ども両団体の活動にご理解をいただく機会であることに加え、函館校の学生にとりましてもコンサートの運営を通じ、これまでの歩みを支えていただいた関係者ならびに市民のみなさまに感謝の意を表すという、得難い経験にもなりました。
学生にとっても本物のクラシック音楽にふれる貴重な機会であり、演奏家たちが体全体で表現する音楽に感動をいただいた、との声が聞かれました。

最後に全員でステージに上がり、両手で30周年を表す“3ピース”で記念撮影しました。