極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

WELCOME TO RUSSIA ~函館からの発信~ 2

 今回の広告制作の手順は以下のとおり。
 まずロシア連邦観光局から委託を請けたモスクワの広告代理店ターゲット・メディア社から提供された資料を元に、写真を選定し、コピーを考えます。ポスターなら教会の尖塔が立ち並ぶロストフ・ヴェリキーの写真を選び、「そこにしかない風景。」をキャッチコピーに、「そこにはアジアでもヨーロッパでもない風景があります。石造りの聖堂や教会、修道院、クレムリン…。はじめて見るけれどどこか懐かしい、日本から最も近い異国ロシアへ。」という文章が続くといった具合です。
 新聞広告は計8回、ヴォルガ川やタイガ、田舎暮らし、バイカル湖など、多岐に渡るロシアの魅力にスポットを当てました。シベリア鉄道の回では「またとない退屈」と題し、「はじまりは富山。フェリーに乗りウラジオストクへ。そこから、世界最長のシベリア鉄道にゆられ、モスクワまで1週間の旅。同乗する人々との語らい、車窓に広がる広大なタイガやバイカル湖の眺め。心地よい退屈に身をまかせましょう。」という感じです。
 函館校教職員が写真を選びながら活発なブレーン・ストーミングをして文章をひねり出す。写真と文章を函館の広告代理店に渡すと、それをもとにデザインしたものを4パターンほど作ってくる。その中から、ロシア人と日本人がそれぞれの感覚で意見を出し合い、1つの案に絞る。ロシア側から提供された写真に思い描くようなものがない場合は、我々の手持ちの写真を使うほか、時にはロシア在住の卒業生に頼み、写真を撮って送ってもらう。
 そう、特筆すべきは、この卒業生による協力です。日本側代理店である(株)函館国際貿易センターでも、函館市内で屋外広告を製作・設置した会社でも、中心になって働いたのは、実は函館校の卒業生たちなのです。
 函館校から発信するこのキャンペーンが、教職員そして卒業生の英知を結集し、日本とロシアをつなぐとしたら、なんと素敵なことでしょう!
 “WELCOME TO RUSSIA” ~またロシアへ行きたくなりませんか?(おわり)
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