極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
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「チェブラーシカ」

はこだてベリョースカクラブ

一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第3回目の講話内容です。
テーマ:「チェブラーシカ」
講 師:イリイナ・タチヤーナ(本校准教授)
チェブラーシカはソ連時代のアニメで、ワニのゲーナ、ライオンのレフ・チャンドル、悪いおばあさんシャパクリャク、彼女の買っているネズミのラリースカなどが登場します。

作者のエドゥアルド・ウスペンスキーはなぜ「チェブラーシカ」という変な名前を付けたでしょうか。ウスペンスキーは友だちの家に行った時、その家の子どもが長い毛皮を引きずって倒れた姿を見てチェブラフヌッツァ(чебурахнуться=ばったり倒れる)という動詞から名詞を作り、正体不明の動物にこの名前を付けました。
ウスペンスキーは1966年に絵本「ワニのゲーナ」を書いて、すぐに有名になりました。最初はチェブラーシカではなく、ゲーナが主人公でした。1969年からはロマン・カチャーノフ監督により人形アニメで映画化され、今ではたくさんのチェブラーシカグッズがあります。
日本では、中村誠監督が日本人や韓国人のスタッフと3つの映画を作りました。
なぜチェブラーシカがこんなに人気だと思いますか?人々は大人になると可愛いということを失います。でも可愛いものが大好きです。日本では特によく「かわいい!」という言葉を使います。
そしてこの映画はソ連時代に作られたので、ソ連の人々がどのように暮らしていたかがわかります。
「チェブラーシカ」にはピオネール(пионер=ソ連共産党の少年団)が登場します。ソ連時代には下部組織のオク組織のオクチャブリャータから上がってピオネールに入り、コムソモール(青年団)を経て、優秀な労働者となり共産党員に入るのが理想でした。私は労働者ではなかったので、共産党員にはなりませんでしたが、ピオネールに入れるのは優秀な子どもたちだけでした。私は誇りに思って、毎晩制服の赤いネクタイにアイロンをかけました。

*「ワニのゲーナ」と「チェブラーシカ」の2作品を見ました。