極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

ウラジオストクのうまいものめぐり 3

<老婆心ながら:アドバイス編>
その1:最低限の料理名と注文の仕方は覚えておきましょう。スタローヴァヤでは後ろに人がつかえているし、モタモタしているとスープ係のおばさんもいら立ってきます。また、カフェ以上なら、メニューを読んで手際よく注文するスタイリッシュさも持ち合わせたいものです。めったやたらに注文しても、自分が望む料理に出会える可能性は低いでしょう。それこそ「ロシアン・ルーレット」を避けたければ、予習あるのみです。
その2:「カフェに入ったが高くて注文できなかった」「メニューを見てから高いのに気づいたが、店を出るのもカッコ悪いから注文してしまった」という話を時々聞きます。もし高い店に入ってしまっても、あわてる必要はありません。紅茶だけ注文すれば良いのです。そうすれば、せいぜい20~40ルーブルです。
またはボルシチとパンだけ注文しても良いでしょう。どこの店でもボルシチの値段は安くおさえています。(80ルーブルぐらいまで。) あるいはもっと正直に、最初に店に入る時に、「この店は高いですか」「一品いくらぐらいですか」とアフィツィアントカにと聞いてもよいでしょう、もし高ければ「今お金がないのでまた来ます」と言えばいいのです。
いずれにせよ、ロシアの人達だって、皆がお金持ちではないはずなので、我々が日本的な感覚で体面を繕う必要はないと思います。実際、私もそのように言って特段恥ずかしい思いをしたことはありません。紅茶一杯でも良いかと聞けば、たいてい「ダー、ダー、パジャールスタ」と言って迎えてくれます。
その3:会計編。スタローヴァヤなら問題なさそうですが、概して「小銭ありませんか」と聞かれます。手持ちがあれば出してあげましょう。もし小銭がなければ「ニェット」といえば、レジの女性はどこかで両替して戻って来ます。
問題は183ルーブルとか端数のある時で、200ルーブル出せば、普通は3ルーブルないかと聞かれます(=この辺の感覚は日本的ですね!)が、33ルーブルくれと言われる(=50ルーブル札を釣りに出したい)こともあり、その辺は臨機応変に対応する必要があります。(皆さん、数字はしっかり覚えましょう!)。
カフェ以上だと「ショート、パジャールスタ(計算お願いします)」といえば、アフィツィアントカが計算書を持って来て、テーブルに置きます。合計額ピッタリのお金が手元にあれば、計算書のファイルの中にお金を挟んでテーブルに置き、席を立ちます。お釣りの必要な時は、アフィツィアントカに手渡します。
ただし、カフェ以上だと店によっては小額(10ルーブルぐらい)のお釣りはくれないことがあります。事情はよくわかりませんが、計算違いではないようです。その程度のサービスはしていますよと言うことでしょうか。
<おわりに:反省編> 概してウラジオストクの食料は豊富と言っていいと思います。外食をしても、肉・魚・野菜・乳製品など比較的バランスよく食事を取ることができました。(と思ったのがいけなかったです!)。
但し、インフレのせいか、思ったより食費は高くつきました。毎日夕食を外で食べていた私は、その分、朝昼を素食(粗食?)にしました。朝は部屋でパン・コーヒー・チーズ・カルバサー(ソーセージ)、昼は学食でボルシチとパン1切れ。夜だけしっかり食べれば良いだろうと思っていたのです。しかし、今思えばこれが間違いでした。毎日たくさん歩いたこともあって、夜しっかり食べたつもりが実はカロリー不足だったのです。体重は2ヶ月で4~5キロ減りました。おそらく、ご飯(米)を食べなかったのが最大の原因でしょう。ロシアの人達に黒パンが必要なように、日本人には米が欠かせないのです。帰国する少し前、函館校のK君達に招かれて、久しぶりに食べさせてもらった白いご飯と味噌鍋がとても美味かったのを思い出します。
外食は所詮外食です。当然、安全性や栄養面で問題は多いはずです。またカフェの料理が本当の意味でのロシアの家庭料理と同じはずがありません。そのあたりをくれぐれも誤解のないようにしたいものです。しかし、偉大なる好奇心と食欲をもって、うまく自炊と組み合わせて栄養のバランスを考えて食べるなら、ウラジオストクでの外食はとても楽しく、あなたをきっと満足させてくれることでしょう。

(おわり)

山崎 淳司(函館校にてロシア語研修中)