極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

ウラジオストク留学を通して

ウラジオストクでの留学実習を通して、それまで情報としてだけ伝えられてきたロシアが、ぐっと身近に感じられました。
街は、去年(2011年)の留学生の話よりも綺麗に改装されているように思えました。ただ、中心部から離れると、舗装されていない地肌のみの道などを多く見かけました。煉瓦造りの古い建物は、昔はたくさん残っていたようですが今では数も減ったようです。教会や氷に覆われた海など、様々な美しい景色を発見することもできました。


生活面ですが、寮は日本に比べかなりの欠陥や不備がありました。寮母さんも人によって様々でした。寮で暮らしている留学生は日本人、中国人、韓国人が主でしたが、ニュースで見ていたような国際摩擦は全く見受けられず、むしろそれぞれが積極的に互いに声を掛け合っていました。
学校(ルースカヤ・シュコーラ)の私が行っていたクラスの生徒たちは、どの人をとっても優秀で、宿題を毎日完璧にこなし、授業でも多く発言し、それ以外にも文化的活動(例えば劇やコンサート)があれば必ず見に行ったり、ロシア映画鑑賞クラブに参加したりなどしていました。

クラスの年齢層は、私と同い年くらいの20代前半の子から、社会人の方まで幅広く、授業を介して様々な意見を交換しました。先生方は、ロシア語の教授法に精通しているだけでなく、様々な角度から話題を広げていきました。
ただロシア語を単体で学ばせるのではなく、色々な分野の題材を取り上げていて、とても興味深い授業を毎回行ってくれました。市内博物館の見学やカフェへ連れて行ってくれる先生もいました。そういった授業を通して、ウラジオストクの歴史や耳寄り情報を得ることができ、生活の幅も広げられましたし、何より生徒と先生のあいだで良い雰囲気をつくっていこうという姿勢が伺えました。
今回の留学は自分にとって大きなインプレッションになりました。日本とロシアの違いをたくさん肌で感じられ、ロシアのカルチャーをもっと知りたいという原動力となりました。
(2012年10月から2013年1月まで留学)

ロシア極東連邦総合大学函館校 ロシア地域学科4年 加藤 奈美