グータラ猫のウラジオ日記 2 アニメの芸術!?
先日、大学の事務室でのこと。秘書のイーラさんが、なにやら見たこともない学生らしき女の子と話していました。そしてイーラさんは私を指差し、
『彼女が日本人よ、聞いてみたら。』
(私!?なにかしら・・・、ロシア語はできないわよ。)
と、思っていたら案の定、その学生らしき女の子はベラベラのロシア語で話しかけてきました。いつもならやさしく訳してくれる先生方もなぜかその日は知らんぷり。
OK OK。今まであまりにも先生方に頼りすぎていたんです。今回は自分の力で会話するぞ!!女学生(昔風)よ、何でも尋ねるがいい!
女学生『ペーラペラペラ・・アニメの芸術を教えて下さい。』
私 『ええっ、・・・アニメのゲイジュツですか!?』
女学生『はい、そうです。アニメの芸術。』
・・・アニメに芸術があるのか!?
女学生『ペーラペラペラ・・そのほか漫画というものはいつ世に現れたのか・・。』
私 『!?!?』
・・・知らね~
女学生『漫画とは、アニメとはなにか!?言葉の由来なども知りたいです。』
私 『・・・あのう、専門家じゃないんで分からないです。ごめんね。』
女学生『いえ、知ってる限りで、本当に大体でいいです。』
大体って言われても・・・知らんがな。日本人のみなさん、彼女の質問に誰か答えられますか?特に『アニメの芸術』。日本語でもさっぱりです。『芸術としてのアニメ』と訳した方がいいのでしょうか、どちらにしてもチンプンカンプンです。
それにしてもロシアでは、ずいぶんと『アニメブーム』だと感じます。アニメの他に、『ビジュアル系バンド』も、流行ってきています。例えば 「ラルク・アン・シェル」「マリスミゼル(特にGackt)」「Xジャパン(特にhide)」など。つい最近はナイトクラブで『コスプレパーティー&ジャパニーズロック』や『変態アニメパーティー』などという訳の分からぬ催し物があったりします。勝手に日本のイメージをどんどんよく分からぬ方向に持っていかないでくれと思ったりしますが、ロシア人の方にとっては新鮮なのでしょうね。
そんなこんなで、その「アニメ・漫画とはなんぞや」というのを私が家で調べて、彼女とは二日後に会うことになりました。
二日後
ロシア人先生『あっ、長谷川先生、テレビ局が来てスタンバイしてますよー。』
私 『は?テレビ局ですか、知りませんね~。』
ロシア人先生『ん?でも長谷川先生にアニメのことを聞くって。』
私 『ええ!?アニメですか!?ああ、あー!!!えー!!!あー。アニメねー。』
ロシア人先生『もー、先生有名人ですねー!』
私 『あーんー、そーですねー!テレビ局かー、ふーん、そうでしたかー。』
ハハハハ。そうでしたか、彼女はテレビ局の人間だったんですね。困りました。私は彼女のためにアニメについて詳しく書いてあるインターネットサイトのアドレスだけ調べて来ただけでした。事務室に行ったら、あの女学生らしき、実はインタビュアーの女性がマイクを持って立っていました。
私 『ごめんなさい、実はあなたがテレビ局の人だと知らなくて、だから私自身はアニメ
について何も調べてなくて、これ、ここのサイトに色々書いてあるから、これ見て
ね!撮影はかんべんしてね(芸能人か!)。』
実はインタビュアーの女『そんな、せっかく来たのに困ります。一分でいいからお願い!
アニメの芸術についてざっくばらんにほんの少しでいいから。』
・・・だ~か~ら、普通の日本人はその『アニメの芸術』がわからんっちゅーの!
そんなアワアワした状況の中、秘書のイーラさんは、わざわざ授業の始まりを待っている
学生たちに『長谷川先生はテレビ撮影があるからちょっと遅れていきます。』と伝えに行き、
もう逃げられない私は、撮影の了解をせざるを得なくなりました。昨日、サイトのアドレ
スを見つけたとき、少しだけ覗いたので、なんとか答えてあげましょう。よし来い!
インタビュアー『漫画はいつごろ現れたのですか?』
私 『平安時代にそれらしきものが現れたそうです。本格的に漫画というものが定着した
のは昭和です。』
インタビュアー『漫画というのは、もともとどういう意味ですか。』
私 『知りません。』
インタビュアー『分かりました。どうもありがとうございます。』
え?これでいいの?ってくらい簡単に終わってしまいました。つまり、日本人の映像が欲しかったのね、なーんだ。じゃあ中国人でもいいじゃん!
インタビュアー『ありがとう!土曜の夕方5時にあなたの映像が入るから見てね!』
ははは・・・見ませんよ。インタビューだって分かっていたらもっと美しい格好をしたのに、いつもよりもっと髪のカールを強くかけたのに。赤いルージュさえ引いて行ったのに!!
それよりも、彼女が知りたがっていた「アニメの芸術」とやらはどこにいったのやら、また、「アニメの芸術」とは何か答えられる人がいたら、逆に私がインタビューしたいものです。でも、もし答えるとしたら宮崎駿とか、ああ言う映像の細かさや、ゲームソフトの「ファイナルファンタジー」なども、バーチャルの世界ながらあそこまで生の人間の動きに近づくと、「芸術」にふさわしいのでしょうね。ああ!今、思いついた!こういうのを言えばよかったんですね。残念・・・。
さあっ、みなさんも、一度「アニメの芸術」とやらを考えてみてください。それでもって、答えが出た人はコメントに書いてください。これからのアニメ好きロシア人対策の参考にさせていただきます。
でわでわ 今日はここまで。にゃ~ろめ!
2006年11月12日 極東大学 寮にて