グータラ猫のウラジオ日記7 教え子の宿題に励まされて
こんばんは、グータラのお時間です。あ、前の話の続きですか?あれは、だめでした。結局嫌われちゃいました。
なぜ?みなさん、ロシア人は散歩が好きで好きでしょうがない国民です、ご存知でしょうか。とにかく、歩きます。そこの景色が美しくなかろうが、道路に穴が開いてようが、天気が悪かろうが。てくてくてくてくてくてくてくてくてくてく・・・・。
露男『アロー、サーシャ(私のロシア名)。さあ、散歩に!!』
私『ごめん、昨日さ、の、飲みすぎて・・・。家で休みたいよ』
露男『じゃあ、一時間休めばいいよ、それから散歩にいこう!』
私『・・・。一時間じゃ良くならないよ(私の二日酔い)。どこかでお茶を飲もうよ』
露男『散歩は・・・できないんだ』
私『ええ、散歩はできないわ』
露男『そうか、散歩できないのなら・・・』
私『ごめんなさい、ふがいなくて(散歩ができなくて)』
終わった。私が散歩をしなかったばっかりに。どうして1時間で治ろうか私の二日酔い。なぜカフェでお茶をするだけじゃ足りないのか。デロデロの二日酔い女子を散歩に連れて行って面白いのか?ロシア人に引きずられるように連れまわされる日本人女性(二日酔い)・・・。想像しただけでも恐ろしい。
ということで、私のバカ話でした。今日はちょっと真面目なお話をしようと思います。
今、三年生の授業で『励ます・慰める』をテーマに授業をしています。で・授業で勉強したことと、以下の表現を使って、自分で状況を考えて会話を書いてくるように宿題を出しました。
ポイント― 相手の気持ちを受け止める
(そうなんだ 大変だったね 分かるよ 等)
慰める・励ます
(私なんて、何回~か分からないよ だれにだってあるよ 等)
次の会話は、ある学生が宿題として私に提出したものです。
宿題:会話
状況:ビカさんが解職されて、がっかりしている。友達のマリさんが励ましている。
マリ:ビカさん、どうしたの?気分が落ち込んでいるね?
ビカ:そう。実は先週末から会社の改造が行われたんだ。たから職員定数を少なくするために昨日、解職されることになっちゃった。
マリ:ふうん、そうなんだ。大変だったね。
ビカ:うん、でも今、失業するのは嫌なんだ!
マリ:でも、この解職は単に運がよくなかっただけだよ。だれにだってあるよ。あたしなんか今まで何回解職されたかはっきりわからないよ。
ビカ:そうなんだ。
マリ:そうだよ。そんなこと気にすることないよ。今にもっと良い仕事を見つけるチャンスがあって、次は長い間失業しないに違いない。
ビカ:うん、そうだね。なんかちょっと気持ちが軽くなったかんじ。ありがとう。
マリ:本当?よかった。じゃ、がんばってください。
ビカ:はいがんばります。
マリ:じゃ、また明日ね!
ビカ:また明日。
この会話を見たとき、笑いが止まりませんでした。単語の意味とカジュアルな話し言葉が合っていないからです。
しかし、すぐさわやかな気分になりました。きっと、彼女は通訳論や日本経済などの授業で、『リストラに悩むサラリーマン』のような記事を一生懸命読んで、訳して、単語を覚えて、それから会話の授業に応用できると思ったのでしょう。
彼女は、他の授業で勉強したことも、会話の授業で覚えたこともおろそかにしない、本当に真面目でよい学生です。きっと将来はすばらしい日本語話者になるでしょう。
ロシアで日本語講師をしていると、時々、学生はこんなさわやかな気持ちにさせてくれます。今までを振り返ると、自分はずいぶんいい加減な授業ばかりしてきました。彼女のように、私の授業をしっかりと聞いてくれている学生がいるのですから、一つ一つの授業をもっと大切に、慎重に行いたいと思うのです。
何でもそうですが今の自分に満足していたら、そこからは何も変わらないものです。こんな風に思えるようになったのは、私を支えるのに大変そうな友達や仕事の先輩、頑張っている後輩、きゃわいい学生達、スネをかじられ過ぎた親。そして愛する恋人!・・・はいない!! とにかく、みなさんのおかげです。どうもありがとう。
でも・・・、これからも私の中のグータラは変わらないでしょう。『くそ~!なんだよぉ、いいこと言っておきながら』と思いの方、おほほ。人間の本質とはそうそう変わらないものです。そこは長~い目で見てやってください♪
では、今日はここで。パカパカプ~。