極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
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ロシアのサウナと温泉

はこだてベリョースカクラブ

一般向け文化講座「はこだてベリョースカクラブ」の今年度第7回目の講話内容です。
テーマ:ロシアのサウナと温泉
講 師:イリイン・セルゲイ(校長)

最近、日本ではサウナブームですね。
ロシアにもサウナはあります。ロシアのサウナは「ヴァーニャ」と呼ばれます。
伝統的なヴァーニャは、川のそばに建てられた小屋のようなものです。中は木造で、木の良い香りがします。中にはペチカと呼ばれるストーブがあり、高温サウナではなくスチームサウナです。ヴァーニャの中では、白樺の箒を使います。サイズはうちわのような大きさです。それで扇ぐので、用途もうちわのようですね。
そんなに熱くないので、おしゃべりしながら一時間ほど入ります。ヴァーニャは社交場でもあります。ヴァーニャには、熱い部屋のほかに休憩所もあります。休憩所では熱い紅茶を飲みます。クワスというジュースも飲みます。本当に熱くなったら、川に飛び込みます。冬だと雪の中に飛び込みます。
ロシアのサウナは、健康のためにも入る。病院のようなものでもありました。昔のロシアの小さな村には病院がなかったので、健康施設や保養所の役割がありました。日本に多くあるフィンランド式の乾式サウナとの大きな違いはここにあります。多くの病気を予防し治療する意味がヴァーニャ(ロシア式蒸し風呂サウナ)にはありました。
さて、ここまでサウナ「ヴァーニャ」の話をしてきましたが、温泉の話もしましょう。
私は日本の温泉が好きです。ほぼ毎日、谷地頭温泉に行っているので、日本とロシアの温泉との違いを今回は簡単にお話ししましょう。
まず、ロシアの温泉は、必ずしもすべて熱いわけではなく、冷泉があり、それも人気です。
ロシア人が温泉に行くときに必要なものは、水着です。男女で分かれて入浴しません。基本的には混合で水着を着て入ります。他は、あまり大きな違いはありません。
「アルコールを摂取してからの入浴禁止、ヴァーニャ(サウナ)の中は禁煙」は日本も同じですよね?

*イリイン校長の講話のあと、食堂に場を移して、ロシアのパイ『ピローク』を食べました。
 はこだてベリョースカクラブの最終回では、講話のあと茶話会を行い、1年間のお話しを受講生の皆様とともに振り返ります。

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