極東の窓

ロシア極東連邦総合大学函館校がお送りする極東情報満載のページ。
函館から、ウラジオストクから、様々な書き手がお届けします。

元気娘のウラジオ便り 番外編その2

 ええ、前回に引き続き番外編をお伝えいたします。今回はウラジオ激安ツアーにもってこいのルーシ号について。ルーシ号には今回7回目の乗船。私、ルーシマスターとでも申しましょうか?夏のアルバイトのガイドのお仕事も船の中でゲットし、勤労学生としてますますルーシ好きに。フフフ。なんでもお聞きくださいマシ。
 近くて遠い国、ロシア。ウラジオなんて本当に近いのに、飛行機代が韓国旅行と比べるとやたらとお高いです。やな感じです。070226.jpgなるべく交通費は安く、そして現地でかわいい女の子と少しでも多く遊びたいあなた!買い物三昧したいあなた!そこのあなたにお薦めなのがルーシなのです!!ルーシ号はウラジオー富山の伏木港を2泊3日かけて結ぶ客船。でも私が見る限り、客はついでに乗せててメインは車です。絶対!ちなみに写真の真ん中の穴はプールらしいのですが水を抜いて車を入れている状態です。定員人数は超えてないとは思いますが重量は限界を超えていないのでしょうか? 
 ではご説明に参りましょう。まずは出航まで。チケットは日本でもウラジオでも買えますが、どちらにせよイラつきます。いや、ロシアで買うほうが丁寧に扱ってくれますね。だから最初から対応の良さと正確さには期待せず、あきらめてください。ロシアで買う場合は、当日の夕方まで何度か電話で集合時間を確認してください。まあ今までの経験上、大体夜6時から7時くらいに集合指定され、結局深夜12時くらいまで待合室で待機することになるので広い心で行きましょう。そんなに遅くになっても、船にはいってから夜ご飯出してくれますので胃に自信がない方は適当に買って済ましてください。日本からでもやっぱり集合から出航まで4時間くらいありますが、それでも日本では入管さんが来るので、その時間に間に合わなければ大量の人に迷惑がかかり、たまに船長さんが乗船を断ってそのまま日本の港に残る羽目になるのでこっちはどれだけ暇でもおとなしく1,2時くらいに港に着くようにしましょう。
 で、ルーシの中です。ここは完全にロシアです。ほとんどがロシア人で、ルールもロシア、料理もロシアです。放送もロシア語ですが、独学でがんばったアレクサンドルさんが、がんばって日本語でも放送してくれているのでご飯の放送は聞き逃さないようにしてください。放送から15分くらい経ってしまうと、食堂に行っても料理を断られることがあります。放送がなったらすぐに向いましょう。ちなみにボリュームはすごいです。慣れない船旅のせいかほとんどの人がダラダラと寝ています。で、3食たっぷり出るのでまるで豚のように感じます。ブヒブヒ。
 全てがロシアだとは言え、でもまだ完璧にお湯が出るシャワーが部屋についているので、ロシアに向うあなたはここで最後のお湯を存分に浴びて後悔のない様にしてください。石鹸、フェイスタオル、バスタオル、1~2つのハンガー、コップ、シーツ、トイレットペーパーはついています。もっていくといいのはティーバック、スリッパ、室内で着る楽な服、暇つぶしの道具に酔い止めくらいでしょうかねえ。ちなみに7回中たった1回だけでしたが、かなり揺れて寝ていても枕が動くし、目をつぶって片足上げたら2秒持たないくらい揺れて、そのときの私の部屋が一番下の階の部屋で海水面から2メートルくらい上に窓があったのですが、揺れて完璧に海の水の下にもぐって水族館のようになっていたことがあります。個人的には昔、ヨット部にて海の女をしていたのでむしろ心地よかったのですが、おそらく普通はトイレにずっとこもる事になると思われます。
 そうそう、もしもロシアのプラグ(先が丸いやつ)と、PC、DVDをお持ちでしたら部屋で映画鑑賞が2泊3日できます。今回私はコーヒー片手に何度も一人で泣いて映画鑑賞にいそしみました。のんびりできていいですよお。
 そして夜。ミュージックサロンにて生演奏が聴けます。もしも女性お一人なら、なるべくやめたほうがいいですが船の中で誰か友達が出来たなら是非のぞいてみて下さい。他にもたくさんのロシア人としゃべれて、面白いし音楽もなかなかいいですよ☆今回は船の中で、ウラジオからシベリア鉄道に乗るという日本人大学生2人とロシアの至るとこでスキーをするというアメリカ人と知り合ったので夜は4人で音楽を楽しみました。で、途中からロシア人がどんどん寄ってきて、飲んで踊って大騒ぎ。その中でも一番仲良くなったロシア人のおじさんがウラジオでマフィアの一味を仕切っていると、酔っ払って自分で暴露。銃創や刺し傷、いろんな貴重なお話まで聞けて楽しかったですが、まあ、あまり深入りはしないつもりです。命は惜しい。もしも何かあったときに名前を使わせていただくことにしましょう。
 こんな感じで2泊3日はあっという間。下船も人に手伝ってもらって、女性万歳な感じです。荷物が重いのは、卒論の資料のせいではなくお土産のお酒のせいでした。ごめんなさい、セルゲイさん・・・
 下船してロシアの懐かしい臭いを・・・もとい匂いにくらくらしながら入管で待っているときに今回初めて麻薬犬が。でも日本の警察犬みたいのじゃなくて、村山元総理みたいな眉毛部分がやたらと長い、あくびばかりしている犬。私のかばんに鼻を押し付けていたけどお前が反応しているのは麻薬でなく、私の食べかけのイチゴポッキーだあ!やる気のなさが前面に出ている素敵なお犬様でした☆
 こんな感じでルーシの旅は終わりました。願わくば、知り合った3人の日本人とアメリカ人、無事にロシア脱出できますように。ちなみに誰一人ロシア語を理解しておらず、全部英語とジェスチャーでした。尊敬します。命を大切に。
 これからルーシに乗ってウラジオに来ようかと考えている方、このルーシマスターに何なりとお聞きくださいね☆
 以上、番外編終了。次回からはまたウラジオからお伝えいたします。お楽しみに!

極東国立総合大学附属国際関係大学政治科学・社会経営学部
6年 寺 越 弓 恵