アネクドートが物語るロシアのお正月
ロシア極東連邦総合大学函館校 講師 イリイン・ロマン
ロシアの人たちはアネクドート(ロシアンジョーク)が大好きだ。ユーモアあふれるアネクドートはロシアの文化においてフォークロアジャンルとして特別な位置を占めている。政治や経済を風刺するアネクドートはペレストロイカが始まるまで、記録されず、伝承文芸のジャンルとして存在していた。
1980年代後半からアネクドートが出版されるようになった。現在、アネクドートが生まれる場所、作者の名前が分からないまま、日刊新聞や雑誌に載せられ、アネクドート集の冊子は数多く出版され、アネクドートを集めたホームページも無数にある。パーティーにはもちろん、学校や職場、初対面でもアネクドートが語られている。笑えるアネクドートは話し相手を楽しませ、リラックスした雰囲気を作り出す。
アネクドートのテーマは色々ある。恋愛、経済、歴史、政治、子供、風俗、等々。そのなかで、「お正月」に関するアネクドートも沢山ある。では、幾つかのアネクドートを通して、ロシア人によるお正月の祝い方を紹介したいと思う。
・パトカーはスピード違反をした車を止めた。警官:「何をそんなに急いでいるんだ?」男:「家に急いでいる。友達と「旧正月」を祝っていて、今、ちょっと遅れている。妻も僕のことを心配しているだろう。」警官:「だって、もう3月じゃないか!」男は答えた。「だからこそ、急いでいるのさ!」
ロシアでは新年のモミの木(クリスマスツリー)、ジエド・マロス(サンタクロース)、イルミネーションはクリスマス(ロシアのクリスマスは1月7日)ではなく、お正月のための定番のものだ。歴史をさかのぼると、1929年にソ連の政府は宗教行事であるクリスマスの祝いを禁止した。したがって、クリスマスツリーの設置、ジエド・マロスの登場も禁止された。
幸いに、1935年に新年のモミの木とジエド・マロスが許可された。だが、クリスマスではなく、(クリスマスは「無神論」というイデオロギーのためソ連の崩壊まで祝わなかった)、お正月に。
当時、公式に認められた新年会に他の国にないジエド・マロスの孫娘としてスネグーラチカ(雪娘)が初めて登場した。スネグーラチカに関するアネクドートは沢山あるが、まともなアネクドートがあまりないので、今回、例として挙げられない。
また、ロシアでは「旧正月」という祝日は旧暦の新年であり、1月14日に祝われる。(新暦は1918年に導入された。)新年の連休は年によって2週間続くこともあるので、(2016年は10日間)、こういう長期間の休みは国の経済にも人間の体にもあまり良くないと思う人が少なくない。連休中、企業は営業していないし、祝日の後、仕事に戻るのは難しいし、こってりした料理と毎日のアルコールも肝臓にダメージを与えるのだ。つまり、上記のアネクドートの男もお正月から旧正月まで遊びまくって、時間を忘れてしまった。
確かに、ロシア人はお正月のパーティーとその後の連休にアルコールを大量に飲むということはロシアでも伝説的な笑い話になった。それについての多数のアネクドートの中から一例をあげる。
・「お正月、どうだった?楽しかった?」
「わかんない、写真まだ見てない」
ロシアではクリスマスのプレゼントは靴下の中へ入れない。新年のモミの木と呼ばれるクリスマスツリーの下へ置く。元日の朝、子供たちは目を覚ますと、クリスマスツリーの下を見る。クリスマスツリーと言えば、モミの木だ。
12月下旬から街中でお正月用の天然モミの木の売り場を見かける。部屋の広さと天井の高さに合わせた木を買い、飾りをつける。「旧正月」が終わったら、木をごみ捨て場に置いておく。(人工の新年のモミの木なら、年ごとに捨てない。)だが、ベッドの下などの所でたまに見つける落ちた葉は春ぐらいまでお正月を思い出させる。
・新年になって、初めて会った2人の男性同僚が会話をする。
1人目の男:「奥さん元気かい?」2人目の男は、「あー、俺、彼女のためにクリスマスツリーの下にプレゼントを置いたんだ。」1人目:「それで?」2人目が答えた。「タイガのモミの木の下でまだ探しているんだろう。」
ロシアの子供たちにとって、お正月はミラクルなイベントなので、おとぎ話、アニメなどのキャラクターの仮装を身につけて、クリスマス会に行く。新年の幸せを運んでくれると願い、十二支動物の仮面を付けて、お正月を迎える大人も沢山いる。では、次のアネクドートを味わってください。
・ある女性が男に聞いた。「お正月に何のコスチュームを着るの?」
男「シュレックの」
女「マスク買った?」
男「まだだけど、君は何のコスチューム?」
女「美女の!」
男「マスク買った?」
多分、どこの国でもお正月に願い事をする習慣があると思う。ロシアの若者は年が明ける数分前に、一枚の紙に願いを書き、紙を燃やした後、シャンパングラスに灰を入れる。年が明けたら、すぐにシャンパンを飲みほすと、願いが叶うと信じられている。
最後になるが、皆さんの願いが叶うことを望むとともに、次のアネクドートも受けてほしい。
・ある男の子がお正月に願い事をした
「毎日がお正月だったらいいのに!」
2ヶ月後、男の子は年金生活を始めた。
・医者の正月の願い事は叶わない。サンタは医者が書いた手紙の文字を読めないから。
学務課お知らせ
卒業試験日程
ロシア語科2年生は下記期間内に卒業試験を行います。
2月29日(月)~3月4日(金)
ザチョットは、下記の日程で行います。
後期試験日程
1.ザチョット
2月22日(月)~2月26日(金)
2.エグザメン
2月29日(月)~3月 4日(金)
3.再試期間
3月 7日(月)~3月11日(金)
卒業年次以外の学生にのみ、この期間に再試験を行うことがあります。
出席率不足の学生は
本校は出席率80%以上が期末試験の受験資格となっています。出席率が低かった学生は受験資格を得るため担当教員の指導を受けてください。
日本学生支援機構奨学金~継続願・適格認定説明会~
1月14日(木)14:40より、7番教室にて卒業年次以外の奨学生全員を対象に説明会を行います。
都合により参加できない学生は、説明会開始前までに事務局学務課に申し出てください。
この説明会に参加せず、継続願を提出しない学生は、新年度4月からの奨学金は貸与されません。
石館とみ奨学金審査会
3月10日(木)石館奨学金選考審査会を行います。この日の審査の対象となる学生は、3月7日(月)の教授会において奨学生候補生に選ばれ選考審査会へ推薦された学生です。候補生となった学生には、3月7日(月)夕方、本人へ通知しますので、学校が指定した日時に登校し、選考審査会と準備について、事務局で説明を受けてください。この説明会と選考審査会には学生本人が出席しなければなりません。
パスポートの取得について
今年、留学実習に参加する、あるいはJT奨学金夏期短期インターンシップ等を希望し、ロシアへの渡航が予想される学生で、現在パスポートをもっていない人は、3月~4月の春休み中には必ず申請してパスポートを取得しておいてください。なお、ロシアへの渡航には、パスポートの有効期限は、申請するビザの出国期限より6ヶ月以上必要です。渡航前に有効期限をしっかりとチェックし、必要な場合は更新しておきましょう。
お知らせ
第18回はこだてロシアまつり
2月11日(木・祝)11時~15時に開催します。まつりのテーマは「春の祭典」です。
まつりは、極東大函館校オリジナル版のマースレニッツァから始まります。寸劇や学生が歌う歌で賑やかに盛りあがり、寒く暗い冬に別れを告げる儀式として、冬の象徴であるモレーナ(体長2メートルのわら人形)に火を放ちます。
屋内会場では、恒例のロシアのかわいい雑貨販売、民族衣装試着体験、はじめてのロシア語教室や、学生コーラスグループ「コール八幡坂」によるステージショーや学生発表、そして今年は「チェス教室」も予定されています。好評のロシアカフェでは、マースレニッツァには欠かせないロシア風クレープ「ブリヌィ」などをお出しする予定です(※チケット販売は11時30分より)。
ぜひ、みなさんお揃いでお越しください。
なお、当日は駐車場が使用できませんので、公共交通(市電・バス)をご利用ください。
卒業証書授与式等案内
平成27年度第21回卒業証書授与式は、次の通り挙行します。
○卒業証書授与式
日時:3月12日(土)午前10時
場所:本校3階講堂
○卒業式リハーサル
卒業式前日の11日(金)10時より講堂で行います。卒業予定者と送辞担当者は必ず出席してください。
○自治会主催 卒業生を送る会
12日(土)卒業式後、引き続き講堂で開催します。
○同窓会パーティー
12日(土)18:00より市内ホテルにて開催します。
※卒業式、自治会送別会、同窓会パーティーは、学生全員参加となっています。
各行事についての詳細は、掲示してお知らせしますので各々確認してください。
短信
第8回АБВГ-Day
11月11日(水)ロシア語学習促進と発表の場としての言語まつりАБВГ‐Day(アー・ベー・ヴェー・ゲー・デー)が開催され、函館校の学生のほかに留学中のロシア人学生2名が参加しました。
個人発表部門では、学生たちが日ごろ学
習している言語(日本人学生はロシア語、
ロシア人学生は日本語)で3分~5分ほど発表を行いました。形式は自由です。各々趣向を凝らした発表で、学習の成果を競いました。
チーム対抗部門では4つの混合チームに分かれてゲーム形式で言語知識を競い合いました。
終了後は、審査結果発表と表彰式がおこなわれ、「個人発表部門」上位入賞者、「チーム対抗部門」優勝チームには、それぞれ賞状と賞品が贈られました。
個人発表の部で1位に輝いたロシア地域学科2年の金子さんは、在札幌ロシア連邦総領事賞も同時に受賞しました。
結果は以下のとおりです。
第1位 ロシア地域学科2年 金子さん
発表「古のポストカード2:ロシア編」
第2位 ロシア語科2年 浅川さん
発表「ロシアと日本の音楽の繋がり」
第3位 ロシア語科2年 渋谷さん
発表「アルセーニエフについて」
特別賞 ロシア地域学科2年 大平さん
暗唱「かもめ」A.チェーホフ
図書室より
平成27年1月から12月までの間、下記の方々から図書の寄贈をいただきました。このほか、教職員・在校生からも多数寄贈されました。ありがとうございました。
≪寄贈者名(敬称略、五十音順)、図書名、冊数≫
・視線の会 文芸誌・視線 第6号 1冊
・杉本侃(本校客員教授) サハリンの石油天然ガス開発 1冊
・高橋邦嘉(北海道三笠市)そのとき存在して〈玲子の半生〉 1冊
・俵浩治(函館市) 郷愁のロシア~帝政最後の日々~ほか3冊
・中尾ちゑこ(マルナカインターナショナル)つるし雛、ロシアン・ビューティー 2冊
・長勢了治(本校同窓生)シベリア抑留 日本人はどんな目に遭ったのか 1冊
・山口ミルコ(千葉県我孫子市)毛の力~ロシア・ファーロードを行く 1冊
学生からの寄稿
ウラジオストク留学報告
ロシア語科2年 渋谷 えり
私は今回の留学実習にあたり「旅行とは違った視点でロシアを見ること」を目標の一つとしていました。実際に学校の寮で生活を初めてみると、旅行では気付けなかったいろいろなことに出会いました。やはり、異国の地で生活をするということはとても大変なことだと実感しました。
最初に出会った問題は「水」です。到着後数日でお湯の給水が止まり、ある日突然断水が告げられた時には驚きました。最近の日本ではまず考えられません。冷たいシャワーを浴びながら、お湯の出る喜びと、水の大切さを実感するとともに、ロシアを先進国と言えない理由が少し見えた気がしました。
もう一つは「時間」の問題です。ウラジオストクではバス停に路線図も時刻表もありません。バスが何時に来るのか、○番のバスがどこを通るのか、まったくわかりません。一方で決まった時刻表がないので、発車しかけたバスでも追いかければ乗せてくれるなど、時間に縛られないがゆえの寛大さもあります。ロシア人は時間感覚がおおらかだな~と感心したかと思えば、学校では窓口が16時きっかりに閉じ、並んでいたのに無駄足になることもありました。
こうした日常の小さな問題や発見を通し、習慣や文化の違いはあれども、日本の快適な技術やアイディアはもっと世界に発信できるのではないかと感じました。
私は今回の留学実習を通して、ロシア語をもっと知りたいと強く感じましたし、日本とロシアが良い繋がりを持てるように貢献できたらと考えています。
私は2年制なので残り半年ほどの学生生活ですが、留学実習を通じてわかった自身の不足点を補填しつつ、新しいこともどんどん吸収していきたいです。その一方で並行して就職活動を本格的に開始したいと考えています。留学実習の前後では私自身、目指すところに違いがでてきました。正直に言えば、留学前はロシア語へのこだわりが少しずつ薄れ始めていたところがありましたが、一か月の留学実習を経て、改めてロシア語へのこだわりを強く持ち、これからチャレンジしていきたい道が見えてきました。忙しい半年間になりそうですが、後悔のないよう、精一杯自分の目標に挑戦していきたいと思います。
ウラジオストク留学報告
ロシア地域学科科3年 岡安 優弥
私はロシア語科からロシア地域学科へ転科した都合、今回は二度目のロシア留学となったが(※)、前回に劣らず刺激的であった。
前回の留学では自身のロシア語力への不安から出発前には眠れぬ夜を過ごしたが、今年は全く気楽にロシアへと飛び立った。
今回の留学にあたり、私は少しばかり目標を立てていた。料理巡りだ。というのも、前回は一ヶ月という短期間の留学であり、あまり出歩く余裕が無かったのだ。また私は料理を趣味としているものの、ロシア料理は本物を食べた事がなく、作ったものが正しいのかどうか判らなかった。その「答え合わせ」というわけだ。この目標は大成功で、数々の料理を自分の舌で確かめ、また寮でも自炊して試行錯誤し、幾つかの料理の「正解」を持ち帰る事ができた。
数日程度の旅行では決して得られず、留学ならでは得られる体験というものは幾つかある。ロシア語学校での授業は当然その一つであるし、これは講師の経験が豊富な事もあって非常に高品質なものである。しかし私はそれに加えて、さらに「買い物」を挙げたい。といっても土産店での買い物ではなく、地元の商店で行う生活の為の買い物である。足りない道具を電気店で買う、スーパーで惣菜を買う、市場で肉を買う……そういった状況だ。相手は外国人に慣れた講師ではなく、一般のロシアの人々で、だから当然ヒントや助け舟など出してはくれない。そうした自分しか頼れる物のない状況で、パソコンのケーブルを、シーザーサラダの小パックを、煮込み料理に合う部位の牛肉を買う。授業では決して再現し得ないリアリティだ。これはロシアの実際の生活環境の学習であり、ロシア語力の実地試験であり、そして自身の語彙力に対する認識を叩きのめす場であった。正直思い上がりがなくもなかった私には、ここでの苦労は非常に良い教訓となった。
以上を総じて、この三ヶ月のウラジオストク留学は私にとって極めて有意義なものであった。
(※)現在のカリキュラムではできません(事務局)。
ウラジオストク留学報告
ロシア地域学科3年 吉田 翔太
今回、3ヶ月間の実習を終えた。先に立てた目標(「出来るだけロシア人とのコミュニケーションをとるようにする」、「ロシア語を使う環境に身を置く」、「勉学に集中する中でも実習を楽しむ」、「自らの
ロシア語の勉強の改善点を見つける」、「活動的な生活を送る」)、が達成できたかどうか考えてみた。
コミュニケーションをとるということは、なりふり構わず話しかければいいのかもしれないが、自分はそういうタイプではない。そこで、行きつけの店を作ろうと思っていたところ、偶然、あるレストランを見つけた。そこに2ヶ月半ほど毎日通った。最初は戸惑う事もあったが、相手の方もこちらに合わせて話してくれるようになり、仲良くなる事ができた(相手の方はロシア人ではなくタジク人だった)。そのおかげで「実習」は有意義なものになったと思う。
ロシア語の勉強の改善点に気づく事もできた。以前からわかってはいたが、実践的な会話の不足だ。単語を組み合わせ翻訳していくという作業は、現地の人と会話する事によって自分のロシア語能力不足を痛感できた。これが1番の成果であったと思う。
これからの学校生活だが、語学の実習生活を経て、学校生活が極端に変わる事はないと思うが、実習の時、同じクラスになった同世代の留学生の勉強に取り組む姿勢を見て、自らの襟を正さなくてはいけないと感じた。実習が終わり4年次に進むと、モチベーションも下がる時期だとは思うが、卒業までの残された時間は1年とわずかなので、その間に少しでも苦手な部分の改善に励みたい。
また、今回は金銭面と日程の関係で受けなかったが、テルキ(ロシア語能力検定試験)も受験できればと思う。
今後色々と忙しくなってくるとは思うが、時間を捻出し、これまでロシア語学習に費やしてきた時間を無為にしないよう日々の学習を継続し、ロシアで出会った友人といつの日かロシア語で自由に話せるよう、努力していきたいと思う。
全道ロシア語弁論大会に入賞して
ロシア地域学科2年 金子 智昭
11月28日(土)に札幌でありましたロシア語弁論大会へ参加を致しましたのでここで少しご報告させて頂きます。
弁論大会への参加が決まりましたのは大会本番の二週間程前のことでした。以降二週間の間日々練習を重ね、特に課題詩に関しては暗記のみならずイントネーションや発音の指導、矯正を受け、改めて自分の弱点を認識する事となりました。実際の発表では緊張の為思うように喋れず練習の成果を出し切る事は叶いませんでしたが、それでも2位という結果が出せた事は望外の喜びでありました。
五分間の発表では私は自分の趣味のポストカードについて話したのですが、その内容も幾分か受賞に影響をしたかもしれません。自分としては長年情熱を注いできた趣味について発表出来るチャンスがこうして与えられ、その内容が些末でも人に印象を残したのであればこれ程嬉しい事はありません。
大会では他校の方々の発表を聞く機会にも恵まれました。日頃の学習成果を出し合い競う事は単純にその行為自体に意義があるだけでなく、自分の習熟度を知る上において重要であると考えます。今後はわが校学生もこうした外部の活動に積極的になる事が大事ではないでしょうか。
全道ロシア語弁論大会に参加して
ロシア語科2年 浅川 真人
11月上旬に行われた本校のАБВГ-Day(言語まつり。スピーチや発表等のコンテスト)にて良い結果を残すことが出来ましたので、先生方からの推薦を受け、札幌で行われた全道ロシア語弁論大会に参加して参りました。北海道、青森、秋田等からロシア語を学ぶ学生のみならず社会人、高校生までを含めた幅広い参加者の集まるコンテストで、発表の内容は多岐に亘るものでした。私は趣味のクラシック音楽への興味から、ロシアから日本への音楽教育における影響について発表し、幸運にも入賞することが出来ました。
大会はスピーチ、質疑応答、課題詩の暗唱の三つを評価するものでした。特に詩の朗読については日本人には難しい言い回しが多く、しかしそれだけに多くを得る機会となりました。
最後に、勉強を開始して以来長く弱点であった発音に関して粘り強くご指導いただき、そして未熟な和露翻訳を手直ししてくださった先生方に改めて感謝したいと思います。
未来のビジネスリーダー事業に参加して
ロシア語科1年 宮川 佑介
この度、私は道庁主催の研修旅行に参加しました。これは北海道内の大学から選抜されたメンバーが、ロシア極東地域におけるビジネスの可能性を自身の目で確かめるというものでした。
前半はウラジオストクに赴きました。こちらではロシア人のみならず、丸紅、北海道銀行、日本センター、総領事館など、現地で働いている日本人の方々ともお会いしました。ロシア極東における日本企業の進出、活動だけでなく現地における生活のお話も聞けてとても興味深いものでした。極東連邦大本校にも行きましたが、APEC首脳会議の会場であっただけあって、大学とは思えないほどの規模と設備でした。なお、通訳のナタリヤ・ウラジミロヴナさんは、ウラジオストク本学のOGで、函館校留学経験もあるという方でした。偶然の縁、そして通訳のレベルの高さに驚き、自分もロシア語をさらにがんばろうと思いました。
後半はハバロフスクに赴きました。州政府においては経済特区のこと、再生可能エネルギーの展望などを伺いました。
今回のツアーで私が判断したことは、現在のロシアでは化石燃料の地位は大きく、揺るがすことはできないが、ロシアでも期待されている再生可能エネルギーの活用を訴えていく価値が大いにあること。そして石油やガスの効率的な使用方法を提示することの二つを軸にアピールするべきだと感じました。
ツアーの最後にハバロフスクの対外友好協会を訪問しました。ここには日本との交流にかかわる人々、日本語を学ぶ学生たちと出会いました。挨拶する時間をいただき、自分が学校ではイワンと呼ばれていることを話しましたら、自分の名前もイワンだという生徒(写真右)が話しかけてきてくれました。私はまだ十分にロシア語を話せませんので、日本語・英語も交えてお互い頑張りながら楽しく会話しました。
多くの企業や官公庁でお話を伺いましたが、改めて極東地域の日本に対する好感度が高いことを知り、更に勉強に力を入れようと思いました。
函館日ロ親善協会からのお知らせ
10~12月の主な活動実績
○ 10月30日(金) ロシア極東大学留学生歓迎会
○ 11月17日(火) ロシア極東大学留学生修了式・送別会
ロシア極東大学留学生支援実行委員会の招きにより、函館で日本語・日本文化の研修を受けていた留学生2名の歓迎会・送別会が開催されました。歓迎会には松本会長をはじめ多数の親善協会会員がご出席されました。
○ 12月18日(金)函館日ロ親善協会 講演会&クリスマスパーティー
出席:在函ロシア人・ウクライナ人とご家族23名、ご来賓・会員他18名(計41名)
会場:五島軒本店
今年は在札幌ロシア連邦総領事館からファブリーチニコフ総領事夫妻、同領事館函館事務所からウスチノフ所長夫妻など在函ロシア・ウクライナの皆様をお招きし、総勢41名の和やかな会となりました。
パーティーに先立ち、在札幌ロシア連邦総領事館ファブリーチニコフ総領事を講師に迎え「日ロ交流の現状と課題」と題してご講演いただきました。
総領事からは、国連総会での安倍・プーチン会談などの日本とロシアの国家間交流や、北海道を中心とした地域間・自治体間交流についてお話いただきました。また、函館市はウラジオストク市およびユジノサハリンスク市と姉妹都市なので、これを生かし官民協力して交流を積み重ねてほしいとのメッセージもいただきました。
去る11月に札幌で行われた全道ロシア語弁論大会で、函館校の学生2名が2位と3位に入賞したことへの健闘が讃えられました。
パーティー冒頭では、今年は1925年にソ連領事館が函館に開設されて90年目に当たるということで、総領事から函館市に対して、初代在函館ソ連領事と函館市長がソ連領事館開館式で歓談している写真や当時の仮領事館などの貴重な写真などが贈呈されました。
この他、恒例のビンゴ・ゲームなども催され、会場は大いに盛り上がりました。
≪係りより≫
留学体験や学外での活動が、今後の大きな成長の糧になることを期待しています。学内にとどまらず積極的に学外へ!(倉田)