大学生への誉め言葉
ロシア極東連邦総合大学函館校 講師 イリイン・ロマン
函館に来て、ロシア語の教師として働き始めてから、もう12年近い。ウラジオストクの大学で学んでいた時、語学に携わる仕事に就きたいと思っていたけれど、正直言って、ロシア語の教師になるとは予想していなかった。でも、今の仕事を一度も後悔したことはなく、充実感を感じている。それは函館校でロシア語を学んでいる学生のおかげだと思う。
ちょっと振り返ってみると、勉強ができない学生がとても少なく、むしろ優れた学生が多かった。今の在校生を褒めすぎるつもりはないが、やる気をもつ学生が多く、授業態度もだいたい良い。そして、ロシア語で積極的に話そうとしている。外国語を学んでいるたいていの学生にとって、日常生活で外国語に触れるチャンスは少ないが、函館校の学生は授業でも放課後でも、日常的にロシア語で話す機会が多い。
私にとってロシア語は母国語だが、とっても難解な言葉であることはよく分かっている。もし、自分自身がロシア人ではなく、ロシア語を学ぼうと思って、動詞の人称変化、名詞と形容詞の語尾変化などのややこしい文法を目にし
たとしたら、ロシア語を学習しようという意欲
を失ってしまっただろう。また、ロシア語と日本語は距離が遠い。文法も、語彙も言語的な共通点が少ない。
このようにロシア語と日本語がまったく別系統の言葉であることを考えてみれば、函館校の学生はロシア語の文法や発音に慣れるのが比較的早い。例えば、日本人はЛとР(LとR)という音が聞き取れない、また、正しく発音できないという話は有名だが、実際のところ、大半の函館校の学生は、練習後、この文字の区別と発音に驚くほど成功している。
この12年ほどの間の学生の中で特に思い出されるのは、年配の学生たちだ。外国語の習得には年齢的な限界があり、また、年をとった人が外国語を覚えるには若者の何倍もの努力が必要だと言われているが、年配の学生の成績を思い出すと尊敬のこもった気持ちになる。豊富な人生経験と勤勉さを生かして、若者に負けないぐらいよく勉強していた方々だった。若い学生にとってはロシア語の学習は将来の仕事につながるが、高齢の方はロシア語を趣味として4年間学んでいたということを考慮に入れれば、さらに驚かされる。
目新しい話ではないが、学ぶ意欲がないと外国語は習得できない。学生たちがよく勉強できている最大の理由は、学ぶ動機があるからだ。(私の場合は、高校で英語とその他の文系科目に興味をもってよく勉強していたが、数学と幾何学はないがしろにしていた)。だから、誰かが授業で苦労していたとしても、能力がないとか、不真面目さのせいではない。その原因は、関心がない、やる気がない、そして学ぶ動機がないからだ。その良い解決法として考えられるのは、自分で学ぶ動機をつくり出せば、やる気も出るかもしれないということだ。
しかし、極東大函館校の学生は、そうする必要はない。なぜならもともと良い学生だから!
АБВГ-Day
11月7日(水)第5回АБВГ—Day(アーベーヴェーゲーディ)が開催され、ウラジオストク本学に留学中の学生を除く本校学生と、本学から函館校に留学中のロシア人学生が参加しました。
АБВГ-Dayの第1部「個人発表部門」では、学生が学習している言語(日本人学生はロシア語、ロシア人学生は日本語)を用い、自由に決めたテーマと形式で、ひとり5分程度の発表を行いました。詩の暗唱、ロシア語なぞなぞ、ロシアアニメの同時アフレコ、研究発表のほか、今年は新たに、読み聞かせと翻訳落語の発表もあり、すべての発表に観客は聞き入っていました。
第2部は、学生が3チームに分かれて団体優勝を狙う「チーム対抗部門」が行われました。この日のために教員が用意したロシア知識クイズや言語ゲームを、日本人、ロシア人、学年の垣根を越えて編成された混合チームのメンバーが力を合わせて得点を競いました。
第2部終了後、結果発表、表彰式、記念撮影が行われ、第5回АБВГ—Dayは幕を閉じました。
個人発表部門上位入賞者は次のとおりです。
第1位・在札幌ロシア連邦総領事館函館事務所所長賞
ロシア語科1年 永松 菜実
暗唱「・・・へ」≪Я помню чудное мгновение≫ А.С.Пушкин
第2位
ロシア地域学科4年 鈴木 竜斗
発表「ロシア人学生から受ける影響」≪О том, как влияют русские студенты на меня≫
第3位
ロシア地域学科2年 佐野 晃
翻訳落語「饅頭怖い」≪Страшное манджу≫
最優秀留学生賞
本学日本学科4年シヴェツォーワ・アリョーナ
発表「ロシアの縁起物について」≪О русских приметах≫
第1部個人発表上位入賞者ならびに第2部門チーム対抗部門優勝チームには、賞状と賞品がそれぞれ贈られました。
石館とみ奨学金
3月14日(木)、石館奨学金選考審査会を開きます。この日の審査対象者は、選考審査会に先立ち3月11日(月)に開かれる本校教授会において奨学生候補生に選ばれ、選考審査会へ推薦された学生です。
奨学生候補生として選ばれた学生には、3月11日(月)夕方、本人へ通知しますので、指定する日に登校してください。選考審査会とその準備について、事務局で事前説明を行います。なお、事前説明と選考審査会には必ず学生本人が出席しなければなりません。
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石館とみ奨学金
目 的:日ロ交流を担う優秀なる人材の育成と、教育成果の向上を図る。
奨学金額:1名35万円を支給する。
人 数:年2名を上限とする。
選考基準:年度の学習成績上位で、かつ、社会奉仕の精神が顕著に見られる者 。
選考方法:選考基準をもとに校長が候補者を 推薦し、選考審査会での小論文審査および面接試験の結果により決定する。
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JASSO奨学金関連
継続願手続・適格認定説明会の開催
1月17日(木)14:40から、7番教室で行います。対象者は441、221以外の奨学生全員です。都合により参加できない学生は、説明会開始までに事務局学務課に申し出てください。
説明会に参加せず、継続手続きをしない場合、新年度4月から奨学金は貸与されませんので、くれぐれもご注意ください。
マースレニッツァ開催
2月22日(金)、冬を追い出し、春の訪れを喜ぶロシアの伝統的なお祭り「マースレニッツァ」を今年も本校駐車場と食堂で行います。
当日は本校への入学を検討されている方と、保護者を対象にした入学個別相談会も同時開催します。マースレニッツァ見学と併せて、ぜひお気軽に本校へ足をお運びください。参加について、お問合せ・お申込みは事前に電話またはメールでお願いします。
極東大学函館校事務局
TEL 0138-26-6523
試験日程
卒業試験日程
1.ロシア地域学科4年生は、下記の日程で 国家試験を行います。
卒業論文審査会 3月4日(月)
国家試験 3月5日(火)
2.ロシア語科2年生は、下記の期間内で卒業 試験を行います。
3月4日(月)~3月8日(金)
3.ザチョットは、以下の日程で行います。
後期試験日程
1.ザチョット:2月25日(月)~3月1日(金)
2.エグザメン:3月4日(月)~3月8日(金)
3.3月11日(月)~15日(金)に再試験を行うことがあります(卒業年次は除く)
出席率不足の学生は
本校は出席率80%以上が期末試験の受験資格となっています。真にやむを得ない理由で出席率が低かった学生は、受験資格を得るため、担当教員の指導を受けるなどして学習の遅れを取り戻すよう、最大限の努力をしてください。
卒業証書授与式
平成24年度第18回卒業証書授与式は、 次の通り挙行します。
○卒業証書授与式
日 時:3月16日(土)午前10時
場 所:本校3階講堂
下記についても、学生は全員参加してください。
○卒業式リハーサル
卒業式前日の15日(金)に行います。卒業予定者ならびに在校生は出席してください。
※近くなったら内容詳細を校内掲示板に貼り出しますので、確認してください。
○自治会主催 卒業生を送るパーティー
16日卒業式後、引き続き講堂で開催します。
○同窓会パーティー
16日夕方、市内ホテルにて開催します。
※自治会を通じて自治会パーティーと同窓会パーティーの案内を行い、出欠をとりますのでよろしくお願いします。
ロシア料理レシピ
4回目にご紹介するロシア料理は、簡単に作れるキャベツのサラダです。今回もアニケーエフ先生のお宅のレシピです。
キャベツを細かく千切りにして、具を甘酢ドレッシングで和えてしんなりとさせ、味をなじませる、この他には特に決まりはありません。材料も、人参と玉ねぎが揃っていなくてもOK。酢をレモン汁にかえたり、レーズンを加えてみたり…。ご家庭でお好みの味にアレンジして、作ってみてください!
「千切りキャベツのサラダ」
◇材料(4~5人分)
キャベツ・・・・・・・・・・・500g
玉ねぎ・・・・・・・・・・・・・中1個
人参・・・・・・・・・・・・・・中1本
酢・・・・・・・・・・・・1/4カップ
砂糖・・・・・・・・・・・大さじ1/2
植物油またはオリーブオイル・・大さじ1
塩、コショウ・・・・・・・・・・・少々
◇作り方
- キャベツは芯をとり、冷水にさらす。パリッとしたら水気を切り、細かく千切りにする。
- 人参は洗って皮をむき、ごく細かい千切りにする。
- 玉ねぎは皮をむき、細かく千切りにする。
- ボウルに1.~3.を入れ、塩を振ってよくもみ込みんで、軽く絞っておく。
- 砂糖、塩、酢、こしょうを入れて混ぜ、4.にかける。さらに油を加えて全部混ぜ合わせた後、約30~40分間おく。
- 器に盛って、いただきます。
函館日ロ親善協会からのお知らせ
10~12月の主な活動実績
○ 10月23日(火)
ロシア極東大学留学生歓迎会
○ 11月14日(水)
ロシア極東大学留学生送別会
ロシア極東大学留学生支援実行委員会の招きにより、函館で日本語・日本文化の研修を受けていた留学生4名の歓迎会・送別会が開催されました。歓迎会には倉崎会長はじめ多くの会員の皆様にご出席いただきました。
○ 12月13日(木)函館日ロ親善協会
講演会&クリスマスパーティー
出席:在函ロシア人・ウクライナ人とご家族22名、ご来賓・会員他26名(計48名)
会場:函館国際ホテル
今年は在札幌ロシア連邦総領事館からサプリン総領事、同領事館函館事務所からウスチノフ所長夫妻など在函ロシア・ウクライナの方々をお招きし、総勢48名の盛大な会となりました。
クリスマス・パーティーに先立ち、在札幌ロシア連邦総領事館サプリン総領事に「日ロの現状と課題」と題してご講演いただきました。講演では、大統領選を終えたロシアの最新の情報を踏まえながら、外交情勢他、ロシア極東地域で予定されている様々な開発プロジェクトについて触れ、ロシアは「難しい市場」と言われるがむしろ「若い市場」なのであり、世界各国から多くの企業が進出している、日本企業の更なるロシア進出に期待したい旨お話されました。
パーティーでは、昨年6月にウラジオストク市を訪問した市内大学生4名にも出席していただきました。この訪問は、ウラジオストク市が開放20周年を記念して世界各国の姉妹都市から若者を招いて催した「国際青年フォーラム」に函館市から参加したもので、APECを控えた街の様子や世界の学生たちとの交流の様子を、映像を交えて報告していただきました。
また恒例のビンゴ・ゲームなども催され、会場は大いに盛り上がりました。
≪係りより≫
今年の干支は巳年です。巳の刻は午前10時頃、巳の方角は南南東のことだそうです。今年も皆様に多くの幸が訪れ、巳のように長く健康でいられることを祈念します。『ミリオン・ズビョースト74号』をお届けします。今年もよろしくお願いいたします。(長谷川)