No.122 2025.01"Миллион звезд" ミリオン・ズビョースト/百万の星

言葉の面白さ

ロシア極東連邦総合大学函館校 講師 イリイナ・ソフィア

18世紀のイングランドの文学者サミュエル・ジョンソンはこう言った。「辞書は時計と一緒で、どんなに悪い時計でも、無いよりはましであり、最高の時計であっても絶対的な正確さを期待することはできない。」
辞書というものは非常に古くから存在している。最初の辞書は紀元前3千年紀の中国で登場し、インターネット時代の前には、誰もが紙の辞書を利用していた。皆さんの自宅にも、少なくとも1冊の紙の辞書があるのではないだろうか。現在、ロシア語や他の外国語について何か確認したいとき、多くの人はインターネット上の辞書やGoogle検索を利用しているだろう。
ある新聞のウェブサイトでは読者の女性はこうコメントした:「現在の若者にはないものがあり、彼らはそれが何かすら知らず、それを使うこともない」。その中で彼女が挙げたのが、「目覚まし時計」、「手帳」、そして「辞書」である。彼女が寮生活をしていたとき、学生たちがこれらを使っていないことに気づいたという。こうした状況の中で、「辞書を見てみなさい」という表現が根付いている。これは何かを知らない人が恥じるべきだと示すために使われることが多い。
例えば、「私の言うことがわからない?それなら辞書の‘I’のページを開けて‘アイロニー’という言葉を読んでみて」。勿論、現在は、電子形式で簡単に何でも検索できる。ロシア語、英語、その他多くの言語の辞書情報を集めたウェブサイトもある。検索エンジンの最初のページに表示される結果だけで満足せず、複数の情報源を確認する必要がある。そうしなければ、適切な答えを得ることは難しい。
ソ連では、インターネット時代の前には、誰でも問い合わせ窓口に電話をかけて、スペルや用法、句読点の位置、言葉の意味を尋ねることができた。
ある時、ソ連の有名な言語学者V.V.ヴィノグラードフがそのような質問に答えることを決意したが、彼の回答は人々を満足させるものではなかった。なぜなら、彼は異なる視点が存在すると述べ、明確な答えを避けたからだ。
いくつかの例をあげてみよう。スープとは何か?スープの特徴は何だろうか?ハルチョーはスープであり、ブイヨンもスープだ。ガスパチョやチュリャもスープ、ベシュバルマク、オクローシュカ、バカラオ、味噌汁もスープだ。「スープ」という言葉の起源は非常に古く、ロシア語にはフランス語から取り入れられた。同じ単語はドイツ語、英語、日本語、その他多くの言語にもある。
この語はおそらくインド・ヨーロッパ祖語の「su」という語根に由来し、「吸う」という擬声語から発生している。それに関連して、「吸う」「おしゃぶり」「ジュース」というロシア語も同じ語源だ。(日本語の「吸う」、「吸いもの」と共通の起源があるかもしれない)。18世紀には辞書に「スープ」という言葉はまだなかったが、19世紀の文章にはすでに登場している。特に「ワインスープ」という表現を見ることができる。では、ワインスープを作ってみるのはどうだろうか。ワイン1本に卵6個、砂糖、クローブ、シナモンを加え、かき混ぜながら火にかける。卵が固まらないように絶えず混ぜ、水で薄め、ビスケットと一緒に提供する。この料理は、今日のスープの概念と一致するだろうか。ワインスープは薬としても使用されていて、ローマ人にも同様のワインスープが存在していた。フランス人は液体で調理されたものの基礎にパンがあるものをスープと呼んだ。ブイヨンに浸したパンのことだ。19世紀のロシアの民族学者ダール辞書では「スープ」を「肉汁の入ったポトフ、野菜や調味料で作った肉のスープ」と説明している。「スープ」はフランスのもの、外国のもの、特別なものとみなされ、自国のものは「ポトフ」と呼ばれていた。それがボルシチ、シチー、ウハなどである。今日では、スープという言葉はボルシチやシチー、ウハにも使われている。
「ゲスト」という言葉もとても興味深いものだ。それは、訪れた人にも、迎え入れる人にも使われる。「私はゲストのところへ行く(Я иду в гости)」と言えば、自分自身がお客さんになることを意味することもできる。これには理由がある。
実際、ロシア語の「гость(ゲスト)」という言葉は非常に古く、古代ロシア語にも存在した。その元の意味は「よそ者」、つまり訪れてきた異国人を指していた。その後、この言葉は「商人」を意味するようになり、「海外からの訪問者」という意味が含まれた。ただし、その訪問が必ずしも好意的でない場合もあり、「招かれざる客」や「敵」を指すこともあった。英語では「ゲスト(guest そして「ホスト(host という言葉があるが、これらも同じ語源を持っている。ロシア語の場合も同じでгость(ゲスト)」という言葉から派生した単語に「гостиница(宿泊施設)」がある。これは、訪れる人が滞在するための場所を意味しгостиница」は「ホテル(отель)」とほぼ同義語だ。また、「ホスピス(хоспис)」という言葉もあり、英語の「ホスピス(hospice は、当初は現在のような末期患者のための施設ではなく、旅人が一晩宿泊するための避難所を指していた。この言葉は、ラテン語の「hospitium(客人をもてなす場所)」や「hospes(客人)」に由来している。同じ語源から、「госпиталь(病院)」も派生している。さらに、「гостинец(お土産)」という言葉は、訪問時に持参する品物や、客人をもてなすための贈り物を意味するгостеприимство(ホスピタリティ)」という言葉も非常に古いもので、古い辞書には「見知らぬ人や貧しい人、旅人を自分の家で迎え入れ、見返りを求めずにおもてなしをする徳」と説明されている。現在、「ホスト(host という言葉は、コンピュータサーバーを指す場合にも使われていて、この言葉の変化は今も続いている。
今回はここで終わりにするが、フランスの小説家アナトール・フランスが辞書のことを「アルファベット順に置かれた宇宙」と言った。要するに、宇宙と同じように、辞書にも多くの謎と興味深いものが潜んでいるということだ。皆さんも関心を抱いて、それを探求してみてはどうだろうか。

学生からの寄稿

80ページの交流
ロシア語科2年 本間 大祐

起床から就寝まで忙しく、追われるように過ごしたロシアでの日々は、稠密であったと思う。それだけに情報量が多く、時間が許す限り日記をつけた。帰国直後に現地の学生たちにそれを公開したのだが、80ページあるにも関わらず読了してくれて、何人かは感想を聞かせてくれた。「私の知らないことが多く書かれていて興味深かった。」、「私の生まれはウラジオストクではないが、ウラジオストクが自分の故郷のように好きになった。」等の感想をもらい、相互理解においては十分な成功を収めたのではないかと思う。
私はよく学校で、«героический путешественник (英雄的な旅行者)»と呼ばれた。徒歩で市街地に深く切れ込む金角湾を一周したり、ウラジオストク西部に伸びるエゲルシェリド岬の先まで行ったりしたからだ。それぞれ20Kmほど歩いた。金角湾の周囲にある山は全て登った。徒歩でなければその土地特有の地形や雰囲気、身体的な距離感は分からないだろう。地図を見れば、今でも情景を辿ることができる。日記はほとんどロシア語で書いたので、表現に苦労することが多かった。しかしながら、その経験が現地学生たちとの交流や授業での会話に活かされたのはもちろんである。
元よりウラジオストク留学に関する情報が少なかった上に、不安定な情勢下で先行き不透明な留学だった。しかしながら、現地の人たち、ウラジオストクのおかげで想像よりずっと多くの思い出ができた。そしてその印象を彼らに返すことができたのは、彼らにとっても、私たちにとってもリアルで人間的な印象が付与されるという点で、とても稀有で有意義なことであったと思う。

ウラジオストク本学への留学実習について
ロシア語科2年 早川 穂乃花

ロシア人が好きな日本のサブカルチャーはなんでしょう。私は、王道にジャンプ作品だったり、スタジオジブリだったりと、日本国内でもほぼ誰もが知っているようなコンテンツが人気だろう、と最初は考えていました。しかし、ウラジオストクに着いた初日の9月29日の内に、その考えは打ち砕かれたのでした。その日は、本学の日本語学科の学生たちと交流した記念すべき最初の日です。到着早々、大人数で街の中心部まで行き、いくつかのグループに別れ、互いにおそらくネイティブに使うのは初めてであろうロシア語・日本語を駆使しながら、街を散策しました。そこで会話をしているうちに、サブカルチャーの話へ移ったのでした。
「ニナさん(私のロシア語名)は、『にじさんじ』を知っていますか?」
ロシア人が『にじさんじ』を知っている!衝撃でした。『にじさんじ』とは、日本のANYCOLORという企業に所属するVTuberグループのことですが、まさかロシアで、その名を聞くなんて想像もつかなかったからです。他にも、『ヒプノシスマイク』のキャラクターの痛バ(キャラクターのキーホルダーや缶バッジなどをたくさん飾り付けたバッグ)を持っている子や、『パラドックスライブ』、『テクノロイド』など国内でもそこまで知名度が高いとは言えないようなジャンルを知っている子もいて、もしかしたら並の日本人よりも日本のサブカルチャーに詳しいのでは…と、とにかく驚きを隠せなかったことと、まさかロシアに来て、自分が今まであまり他人と共有することのなかった趣味の話で盛り上がれるとはと、とにかく感動しました。
それに加えて彼女たちは非常に褒め上手で、会うと「メイクが素敵ですね〜」、「その服が可愛いです」のように、とにかく持ち上げてくれたのです。普段から、メイクには時間をかけていたため、それを褒められることは当然嬉しいし、久々にそういうことを言われ、どんどん自分の自己肯定感が上がり、最終的にこんなにいいところなら帰る必要も無いんじゃないか…、帰りたくない…と思うようになり、挙句帰国後の新幹線内では、辛すぎて泣いてしまいました。
とまあ、楽しかったことを列挙しましたが、冷蔵庫が壊れたり風呂の水が黄緑だったりと色々カルチャーショックやトラブルが発生したこともありました。
また、現地の会話の授業評価は自分の中で納得いくものではなかったのも事実です。ボキャブラリーが不十分で言いたいことが言えなかった時もあり、正直に言うと、かなり悔いの残る結果だったと思います。
今後は、今回の留学で得た経験や自分の足りないところをさらに補っていき、自分の能力を高められるよう勉強を続けていきます。また行くぞ、ウラジオストク!

ウラジオストク留学記
ロシア語科2年 岩岡 正悟

ロシアのウラジオストクへ留学実習に行くことは、入学時点で分かっていた訳だが、2年生になってもずっとまだ先のことのように感じていた。渡航前日になっても、北京に着いても、留学実習が始まったという感覚が湧かずに、自分の乗った飛行機はそのままついにウラジオストクに着陸してしまった。
飛行機から降り、一番端の乗務員専用レーンを客室乗務員とパイロットがさっさと通過するのを傍目に見ながらパスポートコントロールの列に並ぶ。係官の表情は厳しくも将来の夢を訊く位には優しかったが、なぜかすぐ入国できず、自分だけ別室で取り調べを受けることになった。
レーン横のベンチでしばらく待つように言われたが、引率のデルカーチ先生は先に行ってしまったし、他の乗客はもう入国してしまって、係官のほかには誰もいない。ピンチである。ドキドキしつつも実は、内心楽しんでいた。もしかしたら、今までの学生人生で一番アドレナリンが出ていたかもしれない。取り調べの詳細はここでは割愛するが、得難い経験だった。
その後結局入国できたのだが、自分は取り調べという“超実用ロシア語会話”を経て、ロシアに来たということを強烈に実感したのだった。
思わぬ洗礼を受けて始まった留学実習だったが、いざ街に出てみると見るもの、聞くもの、匂うものすべてが教科書から出てきたかのようだった。入学以来教科書で見てきた街や人々が本当に目の前に広がっている。当たり前だけれども、それだけロシアは近くて遠い国なのだ。教科書以外にロシアの今を伝えてくれる媒体はあまりにも少ないのからかもしれない。
ウラジオストクでの一か月は函館の一週間のように素早く過ぎた。しかし、ウラジオストクでの一か月は一生の財産となった。

ウラジオストク留学記
ロシア語科2年 渡邉 晟矢

憧れの地であったロシアで生活をし、函館校で学んだロシア語を用いて町の人とコミュニケーションを取り、現地で生きたロシア語を学ぶ。毎日が驚きと学びの連続でした。
留学実習先の極東連邦総合大学は、帝政時代から東アジア研究において大きな役割を果たしてきた大学であり、現在も多くの学生が日本や韓国、中国などアジアの言語と文化を学んでいます。大学のキャンパスは広大で、ウラジオストクにあるルースキー島の一部が本学の敷地として存在しており、校舎も東方経済フォーラムの開催地に選ばれたことで近年整備され、修理された新しい建物です。
私たちが学んだ留学生のためのロシア語学校は、キャンパスの外、町の中心部にありました。授業は文法と会話がメインで、もちろんネイティブの先生が受け持っています。函館校では先生方が日本語を習得しているため、難しい単語や問題など、分からない部分は日本語で説明をしてくれるのですが、ウラジオストクではそんな甘えは通じません。当たり前ですが、全てロシア語で行われます。そのため、始めは授業についていくことが難しく、不安を抱えることもありました。しかし、現地でできたロシア人の友達に教えてもらったり、しっかり復習を続けたりしたことで授業に慣れることができたため、留学実習後半は苦手だった質疑応答や作文のスキルが向上し、出発前に不得意だった分野を克服することができました。授業を受け持っていた先生に、授業後「よくやった!」と褒めてもらったときの感動は忘れません。
授業外では、ウラジオストク本学の日本語学科の学生と交流をほぼ毎日行い、仲が良くなった友達と観光や食事に行ったり、そして時には寮に招いてもらってお茶会をしつつ、外では言えないようなスラングを教えてもらったりと毎日が非常に充実していました。今でも彼らとはSNSで連絡を取り合って仲良くしています。
現在、日本からのロシアへの留学は非常に困難であり、今回の留学は様々な方々の協力で実現しました。本当に感謝しています。大好きなロシアがさらに大好きになり、将来両国の関係が改善するときには必ず力になりたいと改めて思いました。今回の留学で培った力と経験を用いて、今後も諦めることなく学習を続けていきます。

ウラジオストク本学留学実習について
ロシア地域学科2年 一ノ渡 夏菜

空港の外に出た時の冷たい空気と日本では感じたことのない香水の香りで自身がウラジオストクに着いたのだと実感しました。移動中、視界に入ってきた歴史的建造物、橋、海など、すべてが美しく「ずっとここにいられたら…、それはなんて素敵なことだろうか」と初日で強く思いました。
試験後のクラス分けで自身のクラスには、他の学校、個人も含め日本人が一人もいなかったので、自己紹介時には「国籍」を必ず言うことに後々当然ながら小さな驚きでした。クラスには、中国、韓国、フィリピン、カナダ、インドと多国籍であったため、会話時には英語かロシア語の手段しかなく、寮に帰るまで日本語を一切使わないことが多くありました。しかし、それが自身にとって言語を学ぶ上で非常に良いことであったのと同時に今回の留学の目標でもありました。
母国語に逃げることなく、把握している言葉の限りを尽くすのは、全く簡単なことではありませんでしたが、単語が分からないときは、その意味を別な言葉で言い換えていけば伝わることを身に着けました。
授業も文章の格変化、新出単語や、すでに習った単語であっても、一から丁寧に説明されたことで定着したので極めて理解しやすかったです。
日本語学科の学生方、別な学科の方が垣根なく友好的に接してくれ、お茶会や散歩、食事に誘われることが何度もありました。一度でも話す機会や、会うきっかけがあった人は、次に見かけたときには、必ず声をかけてくれ、とても素敵な笑顔で交流してくれます。ロシア人があまり笑わないと聞いていましたが、それを真っ向から批評してしまう日々でした。
一カ月という決して長くない期間ではありましたが、休みの日に自身の親と会話をするときには、片言の日本語しか出ませんでした。現地の大学、その他で出会ったすべての方々は、志が高く尊敬するほどに沢山のことを熟知していて、賢明であるがゆえに、愛情をもって相手を一人の友人として接してくれたことに強く【心】を動かされたと同時に印象に強く残りました。

АБВГ-Dayを終えて
ロシア地域学科1年 櫻井 寛人

自分は今回のАБВГ-Dayで朝鮮歌謡「イムジン河」の露訳と歌の内容などをロシア語で解説することに挑戦した。イムジン河という歌は元々北朝鮮で創作された国家の分断を嘆く歌謡曲だったのだが、今日では韓国版や日本版の歌詞も存在する。自分が露訳することに選んだのは、1番と2番が日本版、3番が北朝鮮版の歌詞で歌われたバージョンだ。
最初に自分で用意した露訳を指導教官のデルカーチ先生に見せると「悪い翻訳だ」と言われてしまった。そこから先生にまだ習っていない文法などを教えてもらいながら、共に訂正作業に入ることとなったのだが、まだロシア語の知識や経験の少ない自分にとって露訳という作業はとても難しい。なぜなら、翻訳を終えてもロシア語話者から見て違和感のある言い回しをしていないか、歌詞から垣間見える感情がうまく伝わっているのかといった感覚的なことが分からないからだ。
そのため、今回は歌詞の意味を正確に伝えることを目標に翻訳した。
このАБВГ-Dayは大変勉強になる機会だった。デルカーチ先生からまだ習っていない表現、文法を教わることができ、歌詞からロシア語の単語を覚えることができた。当日には先輩方の発表から段取りや綺麗なスライドショーの構成を学んだ。
先月、自分は初めて全道ロシア語弁論大会に参加して、まさかの1番最初に発表した。上位を受賞することは出来なかったものの、ロシア語でスピーチする経験が出来たので今回も上手く話せるだろうと思っていた。しかし、АБВГ-Dayでもくじ引きで同じく1番最初に発表することになってしまった。どのような感じに発表していくのか分からないまま、自分なりに最善を尽くすつもりで登壇した。リラックスできる場所で馴染みのある人々の前で話すというのは、発表前から適度に緊張していた弁論大会よりも緊張した。そのため時々、八幡坂の上に固まっている観光客達に目線を移しつつ、聴衆の先生と先輩と目線を合わせ、少々詰まりながらもベスト発音賞を受賞することができて嬉しかった。
個人発表後のクイズ大会では、頭の柔らかさが求められる問題が多く、自信を持って答えられたのが1、2問ほどだった。頭の柔軟さが失われつつあることを実感したので今後は頭の体操をしなければならない。
クイズも楽しかったが、より楽しかったのは個人発表だった。自分の興味がある事を話すのは好きなので、また発表の機会があるならば今度はより良い翻訳、より凝った内容で露訳に挑戦したい。

短 信

アカデミックリンク

11月10日(日)、「HAKODATEアカデミックリンク2024」が函館市青年センターにて行われました。
キャンパス・コンソーシアム函館(CCH)主催によるもので、当日は市内の8高等教育機関のほかに、企業や市内の高校、東京理科大学長万部キャンパス、青森公立大学、青森中央学院大学など昨年より14も多い合計61のブースと8のステージ発表が行われ、多くの人々で賑わいました。
多岐にわたる種類の研究分野のテーマが並ぶ中、本校のブース発表では2つのチーム、「ロシア語勉強くま」と「遣露使(けんろし)」が参加しました。
「ロシア語勉強くま」は、『これからのロシア語』と題して、北海道のロシア語教育の現状と函館のロシア語教育史をまとめ、ブース内で発表しました。
「遣露使」はブースの他、ステージでも『~実際に見たがゆえに語れること~in Russia』と題して発表を行いました。9月28日から10月26日まで、ロシアのウラジオストク本学へ留学実習に行っていた学生たちによる発表で、現地で交流したロシア人学生たちへアンケート調査を行い、その結果を分析し、考察を加え発表しました。
参加学生は交代で他校のブース発表等を訪れ、どんな研究が行われているのか、どんなことを学んでいるのか、様々な研究テーマに触れ刺激を受けたようです。普段、他校との交流の機会が少ないため、このような場は貴重です。客観的に自分たちを見つめ直す、良い機会にもなりました。
残念ながらどちらのチームも入賞とはなりませんでしたが、最後まで妥協することなく発表準備に取り組んだ経験は、何にも代えられないものになったことでしょう。

オトナのマトリョーシカ絵付け体験教室

12月7日(土)、恒例のオトナのマトリョーシカ絵付け体験教室を開催しました。函館校では2014年から毎年、夏休みに小学生向けの教室を開いていますが、大人向けに開催するのは今年で4回目となります。今年も定員10名に対し、キャンセル待ちがでるほどの人気で、自分だけのマトリョーシカの絵付けに挑戦しました。
講師となったデルカーチ・フョードル校長が、マトリョーシカの歴史や伝統的な民族衣装の構成について説明しました。続いて、デルカーチ先生が鉛筆で下絵を描いた白木のマトリョーシカにそれぞれが好きな色を塗り、乾かしては模様を付け、最後に顔を描き入れました。
表面を保護するためのスプレーをかけて完成です。3時間かけて個性豊かに仕上がったマトちゃんたちを手に、笑顔で記念撮影をしました。

АБВГ-Day

12月11日(水)、第17回『АБВГ-Day(アー・ベー・ヴェー・ゲー・デイ』を開催しました。これはロシア語学習の促進を目的に全学生(ウラジオストク留学中の3年生を除く)が参加する学校行事で、学年の垣根を越えて日頃の学習の成果を競い合いました。
プログラム前半は「個人の部」で、詩の暗唱、歌唱、パワーポイントを用意しての発表など、自分の好きなテーマで発表しました。
後半の「団体戦の部」では学生が3チームに分かれ、教員が作成した言語にまつわるクイズに回答し、点数を競いました。
終了後は食堂に場所を移し、表彰式ならびにお茶会となります。日頃の学習成果を称えあい、皆で発表の感想などを交え、楽しい会となりました。

教職員が厳正に審査した結果が発表されました。受賞者は以下のとおりです。
<個人の部>
第1位 ロシア地域学科2年 一ノ渡 夏菜
 暗唱「庭」 Стихотворение «Сад» М.Цветаева

第2位 ロシア語科2年 本間 大祐
 発表「ウラジオストクでの1日」
Рассказ «Один день во Владивостоке»

第3位 ロシア語科2年 渡邉 晟矢
 歌唱「ロシア宇宙軍の歌 」
Песня «Космические войска»

アーティスト賞 ロシア語科2年 早川穂乃花
 発表「日本で売られていれば…」
 «Если бы это продавалось в Японии…»

ベスト発音賞 ロシア地域学科1年 櫻井 寛人
 発表 歌謡曲『イムジン河』の露訳
 Русский перевод песни «Река Имджин»

<団体戦の部>
ピロシキ組(中村百李、早川穂乃花、渡邉晟矢)

体育 スケート授業実施

12月18日(水)、毎年恒例のスケート授業を行いました。普段の体育の授業は、近隣の函館市立弥生小学校の体育館をお借りして、週に1回実施しています。
スケート場は、函館競輪場内に冬季のみ開設される屋外リンクで外周250mのスピードコースと、手すりのついた中央のサブリンクがあり、初心者でも安心して滑ることができます。学生たちは帽子や手袋などの防寒をきっちりして行います。
スケート経験者が少ないため、サブリンクで足慣らしをするのですが、その中央のサブリンクに行くことが最初の難関ポイントです。市内の小学生、中学生、高校生がスピードコースをものすごい速さで利用している合間を縫って、サブリンクまでの道を渡ります。
滑り慣れてきた頃には、あたりは真っ暗でしたが、最後はチームを作って、リレーができるほど上達しました。

ボルシチパーティー実施

12月19日(木)の放課後、自治会主催の「冬休み前ボルシチパーティー」を行いました。いつもは、ロシア人教員の指導のもと、味付けを行いますが、今回は渡辺理事長と学生が中心となって、スープを作り、先生方に振る舞いました。
学生たちは、それぞれ野菜を食べやすいサイズに切り刻み、鍋に入れて煮込みます。またボルシチに欠かせない、ビーツはアグリ八幡坂の活動で学生たちが育てたものを使いました。
夏にも一度作ったので、学生たちもなんだか慣れたものです。渡辺理事長の指示のもと、テキパキと作業をし、夕方4時には皆でテーブルを囲むことができました。同じく、アグリ八幡坂が育てた白菜で作った漬物も出しました。学生たちにも好評で、漬物もボルシチも持ち帰りました。
翌12月20日(金)から冬休みということもあり、和やかな終業式のようになりました。学生たちの多くは、函館出身ではないため、実家へ帰省する人が多いです。久々に会うご家族とゆっくりした時間を過ごし、年明け元気に登校してくることを約束して、終了しました。

ウラジオストク本学からの留学実習、無事帰国

ウラジオストクで3ヵ月の留学実習中だったロシア地域学科3年生の学生が12月21(土)に帰国しました。先に1ヵ月留学で帰国済みの2年生と併せて、これで全員が無事に帰国することができました。2年ぶりのロシアへの留学ということもあり、学校としても最新の注意を払いましたが、この留学を支援していただいた関係各機関にあらためてお礼申し上げます。
ロシア語能力の向上はもとより、現地で直接ロシアの文化に触れ、様々な体験をすることで成長してきました。学生たちの今後の活躍に期待したいと思います。

学務課お知らせ

卒業試験日程

1.ロシア地域学科4年生は、下記の日程で国家試験を行います。

国家試験    2月28日(金)
卒業論文審査会 3月 3日(月)(場所:3F 講堂)

2.ロシア語科2年生は、下記の期間内で卒業試験を行います。
        2月25日(火)~3月7日(金)

後期試験日程

1.ザチョット  2月17日(月)~2月21日(金)
2.エグザメン  2月25日(火)~3月 3日(月)
3.再試期間   3月 3日(月)~3月 7日(金)
 ※卒業年次以外の学生にのみ、この期間に再試験を行うことがあります。

出席率不足の学生は

本校は出席率80%以上が期末試験の受験資格となっています。出席率が低かった学生は受験資格を得るため担当教員の指導を受けてください。

JASSO奨学金 継続願提出の手続き

奨学金継続願は学業を続けていくために奨学金が来年度も継続して必要か否かを奨学生自身が判断し、提出(入力)するものです。奨学金を継続する場合も継続しない場合も提出は必要です。
なお、今年度から給付奨学金の継続願提出は、不要となりました。貸与奨学金を利用している学生のみ、スカラネット・パーソナルから、提出してもらいます。
貸与奨学金を利用している学生は、卒業後に返還する義務があることを十分自覚した上で、スカラPSから継続願を提出してください。
第一種奨学金と第二種奨学金の併用貸与している学生はそれぞれで継続願を提出する必要があるので注意してください。
継続願の提出期間は下記のとおりです。

提出期間:1月7日(火)~1月24日(金)

提出(入力)先:スカラネット・パーソナル

※入力が確認できない場合、4月からの奨学金の振り込みが止まります。入力し忘れには十分注意してください。

学年末休業

3月10日(月)から4月3日(木)までの期間は、学生の学年末休業となります。事務局は通常営業しています。

令和7年度 教科書販売と授業開始日について

令和7年度使用の教科書の販売は、4月4日(金)の午後を予定しております。教科書の販売場所や時間、金額については、改めて掲示板とメールにてお知らせします。
前期授業は翌週、4月7日(月)から始まります。

ご寄付のお願い

ロシア極東連邦総合大学函館校へのご支援を賜りたく、広く寄付を募っております。みなさまのご協力を心よりお願いいたします。

【寄付金の使途内容】
教育研究に要する経常的経費に充当します。

【募金金額(目安)】
個人 1口当たり 5,000円
法人 1口当たり 20,000円

【税制上の優遇措置】
当学校法人は、特定公益増進法人および税額控除対象法人に該当するため、税制上の優遇措置が講じられています。

【払込方法】
事務局にご連絡いただければ、①こちらから集金に伺います(函館市内に限ります)。②事務局へご持参いただく。③現金書留にて送金いただく。④下記銀行へお振り込みいただく。
学校ホームページより「寄付申込書」をダウンロードするか、氏名・住所・電話番号をメールやFAXにてお知らせください。後日領収書等送付させていただきます。
北海道銀行 函館支店 普通 1438560
青森みちのく銀行 函館営業部 普通  5133441
(名 義) 学校法人 函館国際学園 
※恐れ入りますが、振込手数料は寄付者にてご負担ください。詳細については、学校ホームページもご覧ください。
<ご連絡またはお問合せ先>
ロシア極東連邦総合大学函館校 
事務局  TEL: 0138-26-6523

お知らせ

2025オリジナルカレンダー販売中

今回で9年目となる、毎年大好評のオリジナルカレンダー、2025年版の販売をしています。
今年は2年ぶりに行ったロシア・ウラジオストク本学への留学実習で学生が撮影した写真をメインに、現在モスクワに駐在する卒業生が撮影した“今のロシア”の写真を使用しています。
月や曜日にはロシア語も配し、さらにロシアの祝祭日も加えてありますので、ロシア語学習にも役立ちます。
カレンダーは本校事務局で1部500円にて販売中です。収益は学生自治会に繰り入れて、2月11日(火・祝)開催予定の「はこだてロシアまつり」開催資金等、学生の活動に役立てます。
郵送ご希望の場合は1部610円(送料込み)で販売しています。その場合、郵便切手でのお支払いとなりますので、住所・氏名・電話番号を明記の上、610円分の切手を事務局宛てにお送りください。切手は10円切手1枚と100円切手×6枚でお願いします。また、複数部ご希望の場合は送料が変わりますので、その旨お問合せください。
詳細はこちらをご覧ください。

(昨年の実績)
販売                 116冊
学生の昼食代助成に活用した収益  35,960円

*みなさまのご理解・ご協力に感謝申し上げます。

2025年度公開文化講座 はこだてベリョースカクラブ開講予定 受講生募集

12月16日(月)、2024年度開講のはこだてベリョースカクラブは全日程を終了しました。
この講座は、本校のロシア人教授陣を中心に、毎回交代で違った角度から日本語でロシアについての話題を提供し、理解を深めていただく公開文化講座です。
2025年度は、下記日程とテーマで実施予定です。年6回開催し、各回15:00~16:00の60分です。申込の締め切りは2025年5月2日(金)で、日程は下記のとおりです。本校学生は無料で参加できます。
<日程> 年6回  テーマ未定、担当講師予定
 5月19日(月) デルカーチ・フョードル
 6月16日(月) イリイナ・タチヤーナ
 7月14日(月) スレイメノヴァ・アイーダ
 9月22日(月) イリイナ・ソフィア
10月20日(月) イリイン・ロマン
12月15日(月) 倉田 有佳

第27回はこだてロシアまつり

2月11日(火・祝)に開催します。今年のテーマは「大感謝祭(Большое спасибоボリショイ・スパシーバまつり)」。ポスターとスタッフTシャツのデザインは学生・教職員による公募、投票の結果、ロシア語科2年 早川穂乃花さんのデザインに決定しました。

オープニングは11時から屋外駐車場で行う、春を呼ぶロシアの伝統儀式「マースレニッツァ」。体長2mの藁人形を燃やし、コール八幡坂のコーラスで盛り上げます。
その後の催しは校舎内で行います。ロシアカフェでは、ボルシチ、ピロシキ、ブリヌイ(「マースレニッツァ」に欠かせないロシアのクレープ)や温かいお飲み物をご用意します。
キオスクではマトリョーシカグッズなどロシアの民芸品のほか、昨年好評で完売した学生手作りの「フェルトソープ」を販売します。
ロシア語で名前を書いて缶バッジ(100円)を作るコーナーや、はじめてのロシア語教室もあります。学生発表は昨年秋2年ぶりにウラジオストク留学実習を行った学生によるプレゼンほかを予定しています。
留学で撮影した最新のウラジオストクの写真パネルや、歴代のロシアまつりTシャツの展示も行います。
学生募集を停止し、在校生が少ない中、できる限りのプログラムではありますが、市民の皆様に今まで以上の感謝の気持ちをお届けしたく、学生・教職員とも力を合わせて準備します。詳細は今後ホームページにて掲載しますので、ご確認のうえぜひお越しください。
なお、当日は駐車場が使えません。近隣の有料駐車場または公共交通のご利用をお願いします。

卒業証書所式等案内

令和6年度第30回卒業証書授与式は、次の通り挙行します。

○卒業証書授与式
日時:3月8日(土)午前10時
場所:3F 講堂

○卒業式リハーサル
卒業式前日の7日(金)10時より講堂で行います。卒業予定者と送辞担当者は必ず出席してください。

○自治会主催 卒業生を送る会
8日(土)卒業式終了後に講堂で開催します。
※卒業式、自治会主催 卒業生を送る会は、学生全員参加となっています。

※同窓会パーティーは実施しません。

各行事についての詳細は、掲示してお知らせしますので各々確認してください。

函館日ロ親善協会からのお知らせ
10~12月の主な活動実績

主だった活動はありません。

<係りより>

あけましておめでとうございます。今号では2年ぶりにウラジオストク本学への留学実習を行った学生から寄稿を多く掲載することができました。本校にとって2024年は怒涛の一年なりましたが、このような中で学生たちは懸命に「ロシア」を学ぶ一年となりました。2025年も引き続き、一生懸命に学ぶ学生たちを温かく見守って下さいますよう、お願い申し上げます。(福尾)